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狼の誇りは香りで壊される

2015.05.03.Sun.21:00
「ぐ、うっ! 離せ、はな…せぇっ!」
「いい加減無駄な抵抗をやめなよ。無様な狼さん」

長い廊下にうるさい程に反響する狼獣人の男の鋭い怒りのこもった声を聞き、人間の男は意地悪くにやにやと笑いながら屈辱を煽る返事をした。
嘲笑に満ちた男の顔を、無様と口にした人間の顔を、可能であれば狼は今すぐに爪や牙の餌食にしていただろう。そう、本来ならばか弱い人間など、ほんの少し力を入れれば簡単になぎ払えるはずなのだ。
だが、そんな簡単な事すら今の狼は出来なくされてしまっている。その身に与えられた拘束によって狼は自分を辱める人間を手にかける事はおろか、その辱める人間に良いように扱われ、無理矢理に歩かされる屈辱から逃れる事も出来ないようにされてしまっていた。

鋭い爪で目の前の人間を引き裂きたくとも、白い拘束服を着せられ自身の身体を抱き締める形で拘束された腕では叶わない。鋭い牙で噛み付きたくとも、金属の口枷を被せられた口ではしゃべる事は出来ても噛み付く事は叶わない。
加えて、金属製の頑丈な枷の鎖で短く繋がれた足では男を蹴り飛ばせもせず、それらの拘束に行動を大きく制限された狼は、男が黒い首輪から伸びた鎖を引く力に逆らえず、灰色の毛並みに覆われた下半身を露出させた拘束だらけの身体を抵抗虚しく一歩、また一歩と連行されてしまう。

「く、そっ…許さない…貴様、絶対に……っ!」

全身の自由を奪われ歩行させられる事自体も悔しいが、人間如きに支配されているという状況に対し、狼は強い悔しさと怒りを覚えている。
肉体的に遥かに劣っているはずの人間に従わされ、恥部をさらけ出させられている耐え難い状況に狼としての誇りと雄としての誇りを傷付けられ、苛立ちと悔しさを隠しもせずに見せている狼に、人間の男は愉しそうな声音を出しながら言った。

「最初は皆そう言うんだよね…この部屋に入る前は」

意味深に告げる男の真意を問いただす為、狼は口を開こうとした。が、その口から言葉は出なかった。男が開いた扉の向こうに、男の言葉の意味を知らせる光景が広がっていたからだ。

「あ、あはぁぁんっ…!」
「ん、く、あ…イ、く……っ!!」

部屋の中に広がっていた光景は、何十人もの狼獣人の男達が拘束された身体をよじらせ、自らのペニスを壁や、床や、他の狼に擦り付けている異常な光景で。自分と同じ拘束を施された狼達が一生懸命に腰を振って快楽を貪り甘い悦びを味わっている様子と、まだ部屋に入ってもいないのに強く感じる強烈な淫臭に、連れて来られた狼はさっきまでの悔しさも怒りも完全に忘れ、強張った顔のまま絶句していた。
一体何がどうなっているのか分からない。そんな表情を浮かべる狼に男は喉奥で笑い、涼しい顔で説明をする。

「アンタと一緒でプライドの高いお仲間さん達も、この部屋に入れてほんのちょっとエッチになる薬を流し込んでやっただけでこの有様だ。嗅覚が良過ぎるってのも考えものだねぇ」
「あ、あぁ…っ」

部屋に足を踏み入れてもいない地点で、すでに脳がしびれるくらいの香りを感じている。それが男の言っている薬の香りなのか、部屋の中で喘ぎ鳴いている狼達から発せられた香りなのかも判別出来ない程の香りを嗅ぎ、思わずペニスを硬くさせ始めている狼に、男は嬉しそうに顔をほころばせ、顔とは真逆の言葉を放つ。

「さぁ、おいで。他の狼さん達にたっぷり気持ち良くしてもらえるよう、特別にこの部屋の中央に首輪で繋いであげるから」
「っ、嫌だ…や、め…っ!」

抗う意思があっても、抗う術は無く。狼の男は首輪を引かれて部屋の中へと入り、淫らな香りが濃く集まっている部屋の中央へと、発情し切った蕩け顔の狼達の間を通る度に少しずつ確実に身体を火照らせながら連れて行かれるのだった。



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