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逃れられぬ男は届かぬ助けてを哀しく募らせる

2024.02.28.Wed.21:00
「うぅっ……ん、ぐぅ……」

悔しげな、けれど可能な限りに押し殺した唸りを零しながら、男が裸体を必死にもがかせている。
喉近くまでを貫く形で装着された男根型をした枷に歯を立ててくぐもった声を漏らしながら、男が危機からの脱出を求める行動を一生懸命に試みている。
左右の手首から肘までの部分を囲んで締め上げ背中側で腕の自由を奪う。左右の足首から膝下までをきつく一つにまとめて足を大きく制限する。そんな縛めをもたらす黒革製の器具を耳障りに軋ませつつ床に転がされていた裸体を悶えさせていた男は、身動きを封じた自分を放置しておく場所として選ばれた部屋に置かれていたベッドなどの家具を利用しての努力を積み重ね、長い長い格闘の末にとうとう手足を拘束された裸体を立ち上がらせることに成功した。

「ふぅ……ん、むぐっ」

ようやく、逃走へと繋がる糸口を掴めた。その事実に小さな安堵を抱きつつ、男は部屋の扉へと足を運び始める。
移動の速度と距離を考えれば、的確なのは不自由な足を酷使させての跳躍だ。しかし、下手にそれをしたら今何処にいるのかも分からない自分を拉致した敵達に脱走の計画を悟られてしまう可能性が非常に高い。故に、男は左右を密着させられた足を交互に浮かせ前に運ぶことで行う小さな歩幅での移動で、己を部屋の扉へと進ませていく。

「ん、んふ、むぉっ」

なりふり構わずに繰り返した足掻きのせいで、裸体が火照り息が乱れている。だが、男は休息を一切挟まずに自らを救う努力を継続する。
おそらく、この機会を逃したら二度と敵の手から離れられはしない。憎き敵の手に堕ちた者達の末路を思い起こしながら、男は手足の使用を禁じられた雄々しき裸体をひたすらに頑張らせ男根を揺らめかせつつの不自然な歩行を重ねていく。
そうして焦りと屈辱が一歩ごとに強まる遅々とした移動が何分程続いた頃だろう。男はやっと扉の前に到達し、ドアノブに指を触れさせるべく裸体をその場で回転させ始め、背にした扉から聞こえてきた解錠の音と扉が部屋の外に向かって開く音、そして笑い混じりに浴びせられた無慈悲な言葉にこれ以上無い恐怖と絶望を叩き込まれた。

「捜査員さん、ただいま。無駄な頑張りお疲れ様」
「さてと、それじゃ俺達の本拠地に行く前の調教を始めようか。逃げようとしたことへのお仕置きも兼ねてね」
「うぅぅっ! んもぉぉっ!!」

無自覚に離れようとした裸体の動きを汗ばんだ髪を鷲掴みにする悪の男の手に遮られ、その掴んだ髪を引く無慈悲な手にさっきまでとは大きく違う盛大な音を立てての跳躍を使った移動を強いられながら、十数分前に自分が転がされていた場所へと引き戻された捜査員の男は悪趣味で淫らな責め具を嬉々として見せ付けつつ無防備な乳首や男根をからかうように撫でる敵達の悪意で折られた心に、誰にも届かない助けてを哀しく募らせるのだった。






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