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支配された正義は尾を踊らせながら淫らに破滅する

2023.08.03.Thu.21:00
「おやおや……これはこれは、正義の捜査員様じゃないですか。これからここで人と会う約束がありますので、お引き取り願えませんかねぇ?」
「残念だが、その予定はキャンセルだ。会いたがっている相手はすでに俺達が確保した。どうしても会いたいというのなら、臭い飯を食える場所で会わせてやるぞ?」

背後から現れた捜査員の手で後頭部に銃口を突き付けられても動じない狐獣人の男が、飄々とした口調で言葉を紡ぐ。悪を憎む意思を瞳に携え、右手に握った拳銃の先にいる外道の声を聞きながら、捜査員である狼獣人の男は狐の要求に対し毅然とした却下を返す。
傍から見たら、優位を取っているのは正義の側に立った狼であろう。その気になれば今すぐにでも狐をこの世から排除出来る状況を作った狼の勝ちは、揺るぎない物に見えるだろう。
だが、実際は違う。取引現場に現れた思わぬ客に命を握られている側の狐は、狼から見えない位置で不敵な笑みを浮かべながら優越感に浸っている。
取引を重ねる中で次第に増長し目障りとなった。そんな今日この場で始末しようと考えていた相手以上に目障りな狼が自分から罠の中へと飛び込んできた事実が抱かせる予想外の愉悦に酔いしれる狐は、自身の背後で無意味な警戒を周囲に向けている正義の気配を感じつつ、ネクタイを直す手付きに紛れ込ませて胸ポケットに忍ばせていたリモコンを、寂れた港の倉庫という空間に仕込んだ機構を作動させるリモコンを嬉々として起動させた。

「っ!? あぁ……っ!?」

狐に標的を定めて拳銃を構えていた右手が、持ち主である狼の意思を無視して勝手に下へと移動していく。その状況に困惑と驚愕が入り混じった声を漏らしながらも、狼はこの変化を引き寄せた可能性が一番高い狐を撃ち抜き事態の好転を図ろうとした。
しかし、そんな意思も虚しくすでに狼の身体は狐の支配下へと追いやられていて、右の人差し指に掛けた引き金を動かすことも出来ずに拳銃を床へと取り落とした狼は、そのまま両腕を肉体の両脇に密着させ左右の足を隙間無く揃えた無様な体勢を狐の思惑通りに強要されてしまった。

「っぐ! うぅ……まさか、こんな……っ!」
「ふふふっ、本当は約束相手に使うつもりだったんですけどねぇ。でも、正義の捜査員様でもこうして無力化出来ることが分かりましたから、私の予定を狂わせた罪は不問にして差し上げますよ」
「っ!? あ……っ!」

先程落とした拳銃が狼自身の喉元に突き付けられる。嫌でも形勢逆転を思い知らせてくる金属の感触に戦慄と絶望を募らせながら、狼は手足を封じられた不安定な肉体を屈辱と恐怖に強ばらせる。
けれど、狼が覚悟した最後は訪れなかった。自身が逆に銃弾の餌食となる末路はやって来なかった。右手で握った狼自身の拳銃で愉しげに喉を押しつつ惨めな捜査員を嘲笑う悪の狐は、他の捜査員が救助に入る様子が見えないことを冷静に把握して笑みの黒さを深め胸ポケットから左手で取り出したリモコンを狼に見える場所で弄りながら、死よりも残酷な地獄を敗北した正義に味わわせ始めてしまったのだ。

「ですが、私にこんな物を向けた罪は許しませんよ? 罰として、その手も足も出せなくなった身体をたっぷりと責め立てて悶え苦しめさせてあげます。私が作った素敵な装置の力で捜査員様をみっともなくよがり狂わせて、私達の組織を嗅ぎ回った者がどうなるかを後から助けに来るお仲間さん達にも一目で分かる存在に作り変えてあげますからね?」
「ふぎっ!? ひ、あぁ! うぁぁぁーっ!?」

抗えぬ肉体の内側で、無から生成された快楽の波が暴れ回る。
気持ち良さを感じさせられたくないと抗う意思さえ挟めぬ勢いで全身に広がった甘ったるい至福に、狼は衣服の下で男根を膨張させつつ悪に属する狐の前だということも忘れて鳴き喚き出す。

「ほらほら、気持ち良いでしょう、捜査員様? 間抜けに尻尾振って、だらしなく表情を蕩けさせて、快楽が嬉しくて堪らないんでしょう?」
「はぅ、んあうぅ! はっ、はぎ、んひぃぃっ!!」
「おっと? 答えられない? なら、この悪いお口は必要無いってことですねぇ。このままでもうるさいだけですし閉じちゃいましょうか」
「んむっ!? ふぶっ、んみゅぅぅっ!?」

まるで枷を装着されたかのように閉じきった状態を取らされた口から正義の気高さを失った怯え混じりの悲鳴を上げる狼を愉しみながら、狐は口を塞がれた途端目に見えて激しくなった肉体の痙攣と、衣服を押し上げている男根の脈動と、白銀の尾のダンスに心を弾ませつつ意に染まぬ悦楽に理性と矜持を蝕まれる拷問の強度を引き上げる操作をリモコンに加え、肉体を掌握する命令のせいで床に倒れ込むことすらも禁じられた滑稽な狼の肉体に淫蕩な破滅へと続く一回目の射精を、狼特有の鋭敏な鼻腔を嬲る淫臭の追加を発生させる絶頂を、右手の拳銃越しに伝わる身悶えを堪能しながら迎えさせていくのだった。






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