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限界の男は残酷な装置と共に再び置き去りにされる

2023.07.23.Sun.21:00
山奥に建てられた窓の無い小屋に、夏の日差しが容赦無く降り注ぐ。通気性に乏しく熱の逃げ道もほとんど存在しない空間は、じっとしていても汗が噴き出す状態に陥っている。
そんな場所で、捕らわれた男は無慈悲にも置き去りにされていた。二の腕と胴体を繋ぎ左右の手首に背中で交差させた形を強要する縄を上半身に着せられ、足首と太ももを短く括って足を無理矢理に折り畳ませ続ける縄を下半身に纏わされ、手足の自由を奪う縄と小屋を構成する柱や梁を後から付け足された縄によって遊び無く結合された男は、爪先のみが床に触れている格好へと追いやられた無様な裸体を熱気が満ちた小屋の外に逃がそうと試みることすら許されぬまま、絶え間無く襲い来る暑さに思考能力を削ぎ落とされ続けていた。

「あー……あぉ、うあぁ……っ」

視界を閉ざす黒革製の器具の内側にある男の目はもう、自分をこの地獄に放置した者達への怒りを欠片も伺わせない程に反抗の光を失っている。顔の下半分を覆う形で装着された黒革と輪状の金属を組み合わせて作られた器具によって閉じることを禁じられた男の口はもはや、救いを求める唸りはおろか自分を拉致した者達への憎しみを込めた呻きすらも零せなくなっている。
手も足も出せない。見ることもしゃべることも出来ない。ただただ、自分を包囲する暑さに汗を流し惨めな裸体を濡らすしか無い。
残酷な拷問に心と身体をじっくりと打ちのめされた哀れな男は、数時間ぶりに小屋の外から聞こえてきた車の駆動音に気付く余力すら無くした限界の男は、扉を荒く開けて小屋内へと踏み入ってきた者達に対して誇りを捨てた懇願の声を寄せるのが精一杯の存在なのだ。

「うあぁ……あぉ、はあぁ……っ」

誰でも良いから助けてくれ。目隠しの向こうにいる相手に、男は一生懸命に慈悲をねだる。自分の前に立っている者達が敵か味方かも分からない。そんな状態で、男は暑さからの解放をなりふり構わずに欲している。
そうして滑稽なまでに陥落した男を愉悦に満ちた笑みで見下ろしながら、男にとっての敵である組織に所属する男達は早くも肌に滲み出した汗を指で拭いつつ、抗えぬ男に救済に見せかけた追い打ちを加え始めた。
口を開きっぱなしにさせている器具の丸い金具に、黒いゴム栓と一体化した透明な細いチューブが嵌め込まれる。小屋の外に設置された箱型の装置から伸びたチューブが、無防備な口へと繋げられる。その接続が緩み無く行われたことを確認した男達は、口への異物に怯えることよりも助けを請う疲弊色の声を紡ぐことを優先させている愉快な男のびしょびしょに濡れた髪や裸体をからかうように撫でると行かないでくれの鳴き声を縋り付くように放つ男を味わいつつ再び小屋の扉を閉め、扉の下の隙間を通るチューブを眺めて笑みの黒さを深めながら装置のスイッチをオンにさせた。

「んもっ? もごっ、ぼほっ、んぐぉっ」

男の口内に、冷たい液体が少量ずつ流し込まれる。困惑混じりの唸りを漏らしていた男は、渇ききった喉を潤し火照りを誤魔化してくれる液体をすぐさま嬉しがり出し、小屋の外にも届く音量で感謝の声を発しながら口内に送られるそれを嚥下し始めた。

「んじゃ、また後でな。次に俺達が帰ってくるまで、特製の媚薬ジュースをたっぷりと愉しんでてくれよ?」

淫蕩な薬品が混ぜ込まれていると知らぬまま夢中で液体を飲む小屋の中の男に興奮を滾らせ、このまま飲み続けていたら暑さ由来の物よりも辛く苦しい火照りに絶えず苛まれる今まで以上の地獄が待っていると知る由も無いまま非道なジュースを胃に収める惨めな男に愉悦を掻き立てながら、残酷な男達はまだ発情とは無縁の位置にいる男が痛々しく張り詰めた男根を振り乱して暑さの中で快楽を懇願する滑稽極まりない痴態を空想しつつ車を再度走らせ、男と無慈悲な装置を山奥に残して去って行くのだった。






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