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捜査員は特製のお家へと幸せに閉じ込められる

2023.05.04.Thu.21:00
人里離れた山中に、けたたましい音が鳴り響いている。
木を切り、器具を打ち、穴を開ける音が、男達が扱っている工具から絶えず発せられ続けている。
その様子を、男はどうすることも出来ずに眺めていることしか出来ない。これだけの音を立てても異変に気付く者がいない程の山奥へと連れ攫われた男は、口を塞ぐテープ越しに無駄な助けてを諦め悪く叫びながら、床の上に敷かれた布に右側を下にして転がされた裸体を縛める縄を解くことを目的とした試行錯誤を、無意味に繰り返すしか無い。
捜査員さん用の家を作る。醜悪な笑みと共にそう告げ作業に取り掛かり始めた悪に属する男達の姿を観察させられている男は、じょじょに完成していく物体に戦慄と恐怖を募らせながら暴れ、どう頑張っても逃れられない事実に絶望させられるしか無いのだ。

「んーっ! むぐぅぅっ!!」

早く脱出しなければ、などという冷静な判断を行う余裕も無くした思考を怯えで埋め尽くしながら、捜査員は縄の衣服を着せられた裸体をじたばたと悶えさせる。二の腕と胴体を遊び無く繋ぎ左右の手首から肘までの部分を背中で重ねさせた状態に固定する上半身の縄を軋ませ、左右の足首同士とすね同士、そして太もも同士をきつく一括りにする下半身の縄を鳴らし、太ももを上半身へと密着させ左右を離れられなくさせた足を窮屈に折り畳ませた姿勢を強要する駄目押しの縄に音を奏でさせながら、捜査員は作業に勤しむ悪からの解放を欲し半狂乱になってもがき続ける。
無論、理性を欠いた努力を重ねたくらいでは厳重に施された縄拘束は振り払えない。捜査員は危機から逃れる以前に、右側面を下に向けさせられた無様な横倒しの格好を否定することさえ叶わない。
そんなありとあらゆる希望を叩き潰された捜査員を待ち受けるのは、作業を終えた男達の接近という結果のみで。痛々しく目を見開きながら閉ざされた口から誇りを捨てて放つなりふり構わない哀願を無視されつつ抗えぬ裸体を数人がかりで持ち上げられた捜査員は、完成したばかりの自分の家へと、下部が床に複数の金具で接続されている自分の肉体に合わせて作製された木製の箱へと、体育座りをするような形で押し込まれてしまった。

「ふふっ、計算通りぴったりだね。よく似合ってるよ、捜査員さん」
「情けなく暴れることも出来ない。縄を解いたり口のテープを剥がしたりする為の動きさえまともに取れない。うん、実に相応しいね。俺達犯罪者にとっ捕まった正義の捜査員様におあつらえ向きのお家が出来たよ」
「むぐ、うぅぅ……っ!」

箱に詰め込まれた自分を囲んで見下ろす悪達を打ちひしがれた瞳で見上げながら、捜査員は一縷の望みに賭けて慈悲をねだる呻きを漏らす。
だが当然、悪達はそれに応えない。不自由な裸体を酷使する無様な移動すらも不可能となった滑稽な正義の男を堪能する悪の男達は、作り上げた箱が捜査員を隙間無く閉じ込めつつ不要な圧迫を与えてはいないことを残忍に細めた目で確認すると、最後の仕上げとして箱の蓋を、無慈悲な仕掛けを搭載した蓋を、嬉々として取り付け始めてしまった。

「でも、まだそれで終わりじゃ無いよ? じゃじゃん、お家には屋根が無いとね。しかもほら、特製の屋根だ」
「捜査員さんは知ってるでしょ? この屋根の真ん中に嵌め込んだ装置。俺達のこと調べてたもんね」
「んっ、むぎゅぅぅ!?」
「おっ、やっぱり知ってたみたいだね。なら話は早い。早速この素敵な屋根を取り付けて、捜査員さんに特製のお家をたっぷりと楽しませてあげようね」

あの装置は、ただの空気を元に淫猥な気体を作り出す装置だ。周囲から取り込んだ空気を内蔵された機構で発情効果を持つ非道な空気に加工し、設定した方向へと、この場合は間違い無く自分が詰め込まれた箱の方へと流し込む装置だ。

「ふぶっ、むぐぅぅ! うーっ!! んみゅぅぅぅぅっ!!」
「うんうん、嬉しいね。こんなに良いお家を貰えるなんて、捜査員さんは幸せ者だね」
「でも、ちょっと悦びすぎだよ? ここからどんどん幸せは大きくなっていくんだから、今からそんなにはしゃいでいたら俺達が帰ってくるよりも先にバテちゃうよ?」
「もっ、むごぉぉ! うぶぅぅぅぅぅーっ!!」

蓋を被せられ暗闇に支配された箱の中で間抜けに許しを請う捜査員を堪能しながら、悪の男達は自分がこれから淫蕩な地獄の中に放置されることになる展開を伝える言葉に気付くことも出来ぬまま喚き散らしている捜査員に黒い興奮と充足を膨らませつつ、万一の脱出を封じる為に用意した蓋と箱の金具達を一個また一個と躊躇い無く施錠していくのだった。






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