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支えを砕かれた正義は意味合いを変えた責め苦に飲み込まれる

2023.03.09.Thu.21:00
「んんっ! んぐ……むぶぅぅぅっ!!」

口を閉ざした状態に固定する黒色をした強力な粘着テープに下半分を覆われた顔を悔しげに歪めながら、男が地下に用意された監禁部屋の中でじたばたと裸体をよじらせ続けている。
左右の手首同士と二の腕同士を遊び無く繋ぎ、肘の部分を腹部へと縫い付ける縄は仮に指の使用を禁じ握り拳の形を強要する黒革製の鍵付き手袋が無かったとしても自力では解けない。左右の足首同士とすね同士、そして太もも同士をきつく一つに括る縄はどんなにのたうち回ったとしても緩む気配すら見せない。そんな事実を全身に食い込む縄の圧迫によって理解させられつつも、男は一人きりで置き去りにされた空間に敷かれている分厚い薄桃色のマットの上で無意味な格闘を繰り返し続けている。
そう、それは何もかも無意味な行動だ。幾ら頑張っても自力では逃走には辿り着けない体力を消耗するだけの徒労だ。分かり切った上で、男は縄を鳴らし必死になって拘束から抜け出そうとしているように見せかけている。丸出しにさせられた男根を無様に振り乱しテープに塞がれた口から発したくぐもった唸りを絶え間無く地下に響き渡らせながら、男は焦りと屈辱に歪んだ表情を浮かべつつ罠に嵌まって生け捕りにされた無様な捜査員を演じ続けている。
そうして一生懸命に己の役を全うしながら待ち続ける時間が、どれくらい経過した頃だろう。地下を監視カメラの映像越しに観察しているであろう憎き敵に向けた演技が真の疲労と憔悴に変化する程の時が過ぎた頃、まんまと悪に捕まった正義の捜査員という立場を貫いていた男の元に、一人の悪が現われた。

「捜査員さん、お待たせ。ま、わざわざ説明する必要も無いだろうけどよ。今日もこれから手も足も出せない捜査員さんをたっぷりと苛めて、いやらしく躾けて、ボス好みの肉奴隷になれるよう調教してやるからな?」
「んぐうぅ! ふぐぅ……っ!!」

地下に帰還した一人の悪の男が、連日注がれている淫猥な責めの開始を改めて捜査員に語り始める。痛みに呻く捜査員を嘲笑う表情を浮かべつつ汗ばんだ髪を鷲掴みにして持ち上げさせた顔を覗き込みながら、悪の男は今日の地獄の到来を抗えぬ捜査員に宣告する。
だが、捜査員の胸は安堵に包まれている。頭皮に走る痛みに顔をしかめながらも、捜査員は敵の思い通りに扱われる恥辱の日々の中に見出していた安らぎを嬉しがりつつ、今日自分を苛む為にやって来た悪に信頼の眼差しを寄せる。
しかし、そんな信頼を浴びている男は絶望の真実をまだ知らない捜査員の態度にこれ以上無い興奮を滾らせつつ、演技ではないと一目で分かる醜悪な愉悦を剥き出しにした顔を見せながら捜査員の希望を粉々に打ち砕く言葉を嬉々として放った。

「本部にはしっかりとお前の救助に繋がらない情報を、二重スパイの俺に面白いくらいに騙されたあいつらを一網打尽にする情報を流しといてやるからよ。お前は何にも考えず今まで通りに悶え苦しみながら、正義なんて下らない物を忘れきった淫乱奴隷に堕ちて構わないからな?」
「っもぉ……っ!?」

自分よりも優秀で、本当は捜査員だと分かっていても憎しみを抱く程の悪になりきっていた男が、悪の本性をさらけ出した声音で正義を瓦解に追い込む計画を伝え始める。
他の悪と同じように、本来の流れであれば媚薬ではなくただの水で湿っているはずの白布を逃れられぬ顔面へと押し付けながら、悪の振りをした正義ではなく正義の振りをした悪という真の姿を露わにした男が気が狂うような発情を自由を奪った捜査員に強要しつつ、一方的な言葉の刃を残酷に投げ付けていく。

「悪を壊滅させられるなら悦んで快楽に嬲られてやる、だっけ? 立派な心構えが無駄になった気分はどうだ、ん? 潜入してる俺の立場を救う為にわざと捕まって、悪の疑いを薄めつつ情報収集を行いやすくしてやる、だっけ? 本当に捕まって、情報収集どころか気持ち良いこと以外何にも分からない惨めな生き物に作り変えられることが確定した気分はどうだ? ちなみに……俺は最高の気分だぜ? 俺なんかを信じ切った間抜けな捜査員さんよ」
「っふ! ふぅ、むふうぅ……っ!!」

昨日も、一昨日も、その前も嗅がされた媚薬の香りと成分が唯一の呼吸孔に追いやられた鼻から体内へと入り込む。昨日までの日々とは意味合いが大きく変わった媚薬の責めが、己を支える信念と使命を失った捜査員を無理矢理に火照らせ、快楽への渇望を高めさせていく。

「気持ち良くなりたくなったら、遠慮無く床オナし始めて良いからな? もう二度と俺達から逃げられやしないんだから、さっさと諦めて屈服しちまえ。ボスはお前を気に入ってるからな。すぐ堕ちればその分、早く可愛がって貰えるぜ?」
「ふっ、ぶふ、んもおぉ!」

左手で髪を掴まれ、右手で媚薬布を鼻にあてがわれている捜査員は己の腹部とマットに媚薬の力であっという間に膨張させられた男根が挟まれている状態から離れられない。仲間だと思っていた男に指摘されなくとも湧き上がっていた裸体を左右に揺すって男根をマットに擦り付ける惨めな自慰を求める衝動が嫌でも膨らみ続ける格好から逃れられない。
悪を討ち滅ぼす為とはいえ、一時的とはいえ悪の手に堕ち淫猥な苦悶の日々を受け入れる役目を進んで担い自己を迷い無く犠牲に捧げた捜査員の男があらゆる希望を叩き潰されつつ発情に飲み込まれていく過程を堪能しながら、忠実な悪の僕である捜査員側に潜り込んでいた男は正義の本部に伝える虚偽の報告の内容を思案しつつ、早くも腰を振り出した滑稽な正義を目と耳と鼻と媚薬に湿った布を持つ右手で余すところ無く味わい尽くしていくのだった。






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