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箱詰めの青年は敗北の過程を満喫される

2022.11.30.Wed.21:00
数時間ぶりに男が部屋へと戻ると、青年は相も変わらず地下室の中央部分の床と一体化している縦に長い箱の上部から身体の一部を突き出させた間抜けな体勢を保ちつつ、絶え間無い苦悶に苛まれ続けていた。
機械で作られた白い箱に蓋を施す役割も果たしている拘束を目的として用意された金属と柔らかなクッションを組み合わせた器具達に首と、手首と、足首を緩み無く包囲された無様な青年は細く小さな黒革のベルト達を用いて蓋の部分に全ての指を縫い付けられた手足を苦しげに震わせながら、輪状の金属を装着された閉じられぬ口から荒く乱れた呼吸混じりの呻きを漏らしつつ、背後の扉が開いたことはおろか自分を地獄に放置した男が地下室に帰った来たことにも気付けぬまま、常に襲い来る淫猥な拷問で理性が吹き飛ばないよう己を必死で支え続けていた。

「はぁ、はぉ、あぁ、んあぉぉ……っ!!」

天井以外を向けなくされた顔面を悲痛に歪ませながら、青年が開きっぱなしにさせられた口から意に染まぬ火照りを纏ったか細い悲鳴を漏らす。口とは違う意味で開きっぱなしの状態を強要させられた手足を小刻みに跳ねさせながら、青年はその震えが箱の内側に閉じ込められた裸体に波及しないよう、悶絶を紛らわす痙攣を行おうとする本能を必死で抑え込んでいる。
その滑稽極まりない忍耐の様子をゆっくりと閉じていく扉の前の位置から遠目に眺めて愉しんだ冷酷な男は、裸体と共に箱へと封じた残忍な液体がその効果をしっかりと発揮している事実に満足げな表情を浮かべて頷きつつ、すでにこれ以上無く惨めな青年の痴態をより愉快な物へと引き上げる為に、素早く青年入りの箱に歩み寄って疲弊しきった顔と自由を奪われた手足を真上から覗き込みながら、箱に仕込んだ無慈悲な追い打ちの機構を起動させる箱側面のボタンを押し込んだ。
男の顔を認識した青年が、戦慄と絶望に満ちた絶叫を上げる暇さえ認めない。そんな速度で動き始めた機構達は蓋よりも高い位置にある箱の縁に用意された小さな扉を開けて現われ、逃げたくても逃げられない青年を、無防備にさらけ出された青年の手足を、人間の手を模して作られた己を巧みに蠢かせることで容赦無くくすぐり出してしまったのだ。

「はぉっ!? あぉ、へほっ、ひほっ、はほほほほぉぉーっ!!」

過敏な神経が集中している手の平が、細いアームに支えられた小さな偽物の手達に撫で回される。手の平を超える過敏さを携えた足の裏が、手だけでも笑いを堪えられなくされていた青年に追加のくすぐったさを叩き込み、ついさっきまで出来ていた身悶えの制御を不可能にさせていく。
箱の内部にたっぷりと注がれた液体媚薬の中で裸体をよじらせたらどうなるかを分かっていても、忍耐の糸を躊躇い無く引き千切られた青年はもう、媚薬を掻き混ぜつつ踊り狂う裸体をとめられない。ただじっとしているだけでも絶頂に達しそうな程の悦楽を覚えさせられていた裸体をくねらせたらどんな拷問がやって来るかと怯えていた心を思い出す余裕も砕き尽くされた青年はもはや、媚薬風呂に漬け込まれた箇所全てで絶頂に繋がる淫らな至福を感じながら、絶頂の自覚さえ間に合わない勢いで押し寄せるイき地獄に鳴き喚くことしか出来ない。
自分を鑑賞する憎き敵の男に対して屈服を剥き出しにした無様な哀願を紡ぐ思考を、媚薬に蝕まれながらも全力で維持していた理性と共に霧散させられた哀れな青年に残された選択肢は一つだけだ。手足を嬲るくすぐりの責めに笑い狂わされながら、箱の上部に固定された箇所以外で休み無くイき続けることだけが、今の青年に許された唯一の行動なのだ。

「あっ、あぉぉ! はほっ、ほひひぃ!! はぁ、はひっ、ひゃひひひひぃぃんっ!!」

笑って、笑って、ずっと笑わされて。イって、イって、またイかされる。
自身の目論見に従ってくすぐりと快楽の無間地獄に為す術無く心と身体を殴り付けられる青年を堪能しながら、男は時折手足に加えるくすぐりの強度を司るダイヤルを気まぐれに弄って不規則な追い打ちを味わわせつつ、不可避の崩壊へと突き進む正義を詰めた箱の周りをぐるぐると回りあらゆる角度から敗北の過程を満喫していくのだった。






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