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寂れた社の御狐様

2014.03.22.Sat.21:00
村はずれにある、寂れた社。
ほとんどの村人から忘れ去られたその社の中で、少年はへたり込んでいた。

「な…え…?」

困惑しか存在しない表情で、少年は目の前の生き物を見つめる。すると、その生き物…浴衣を纏い、美しい金色の髪の中に、同じ金色の狐の耳を持ち、尻の少し上から金色の狐の尻尾を持った背の高い青年は面白くて堪らないといった表情で少年を見つめ返した。

「失礼なやつじゃのう。人を叩き起こしておいて、化け物を見るような目で見おって」

おどけた口調で言いながら、男は少年に迫る。
逃げようと試みる暇も無い程、その動きは素早くて。気付いた時には少年は社の床に押し倒され、手首を顔の横で押さえ込まれ、狐の男に覆い被さられていた。

天井を塞いで、男のいたずらな表情が少年の視界を埋め尽くす。そして小ぶりな鼻を、男の髪の香りがくすぐっていく。

「あ…」

不可解な状況に怯えているのは確かなのに、甘い香りに包まれて少年の心は和らいだ。そして、人ではない耳と、尻尾と、美しさを持った男に至近距離で視線を合わされ、少年は恥ずかしさに震えながら目を逸らした。

「初心な反応じゃのう。まだ、始まってもいないのにな」

あからさまに顔を赤くし、可愛らしく怯えている少年に狐は小さく笑い、ごく自然に、まるで当り前のように顔を下ろし。

「ん…!?」

恥ずかしがる少年の初めての唇を、優しく盗んだ。
突然に口付けられて驚く少年だったが、抵抗の為の力は生まれない。口に舌を差し込まれながら唇を深く重ねられ、狐の瞳にまっすぐ射抜かれると、溶けたみたいに力が抜けてしまう。

「んっ、んぅ…っ」

何が起こっているか今一つ把握出来ていない。自分に口付けている男が何者かも分からない。
だけど、触れてくる唇と見つめてくる瞳は心地良くて、少年はいつの間にか入れられた舌に自ら舌を絡め返す程になっていた。
その素直な姿に、狐は優しさと共に嬉しさを込めた笑みを見せ、そっと唇を離す。

「ふふ…そんなに可愛い顔をするな。お前を食べたくなってしまうじゃろう?」
「は…っ」

食べられたい。心に芽生えた感情のままに、少年の手は勝手に動き、狐の背中に腕を回していた。

「っ…!?」

余裕たっぷりだった狐の男が、動揺を見せる。耳も尻尾も緊張して固まり、呼吸も少しとまった。
だが、たった一回の口付けでとろとろに蕩けさせられた少年はそんな狐の変化には気付かず、荒くなった息を狐の首筋に吹きかけて一生懸命にしがみ付いていた。

「…誘惑したのは、お前じゃからな」

誰に言う訳でもない言い訳。その後に行われたのは、さっきよりも深く甘い口付け。

「んふっ…むっ、うぅぅ…」

一度味を覚えた舌は、病み付きとなって狐の舌を求める。そうしてお互いに水音を立てて舌をぶつけていく内に、二人の股間は衣服の中でふくらんでいった。
気まぐれで社を訪れた少年と、気まぐれで少年で遊ぼうと思った狐は、その考えを満ち足りた方向へと崩され。

ちょっと変わった…恋物語を紡ぎ出すのだった。






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