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新たな主は所有物を正しく扱う

2022.07.31.Sun.21:00
自身の病状が芳しくないことを悟っていた初老の男は、この世を去る前にこの子達を託さなければと思うように動かぬ身体に鞭を打って信頼の置ける人々に自身が幼子の時に保護し愛情を込めて育てた獣人の青年達を譲渡していった。
しかし、そんな残り少ない命を擦り減らしての尽力も虚しく男はあと一歩のところで病状の突然の悪化という残酷な展開に襲われ、最後まで自分の世話を手伝ってくれた雄々しき牛獣人の青年を託す人物を見つけ出す前に亡くなってしまった。
そうして最愛の主を失った牛の青年を待ち受けていたのは、それまで一度も会ったことの無かった主の息子に自身を主の屋敷ごと相続されるという結末だった。主はもちろんのこと、自分と同じく主に愛されていた獣人仲間の青年達もいない。すっかり寂しくなったこの場所で、自分は主の息子に仕える存在となる。その現実に言い知れぬ不安を募らせつつ、牛の青年は大好きだった主を幻滅させたくないと新たな主である男への忠誠心を胸に抱いた。
けれど、牛の決意はそのまっすぐさを嘲笑うかのように無下にされた。一度も紹介されず、主の口から言及されることすらも無かった男は、自分の手にだけは渡らせないと考えていた父の思いを愉快そうに見透かしつつ、父の願いとは裏腹に自分に都合の良い存在となった牛の青年を、まるで意思を持たない物体であるかのように弄び無慈悲に責め嬲る日々を開始してしまったのだ。
屋敷の裏手にある広い草原を自由に走り回ったあの日はもう、戻っては来ない。言葉巧みに誘導され自らの手で嵌めさせられた白い機械製の首輪によって新たな主の意思に反する行動を禁じられてしまった牛の青年はもはや、許可を与えられなければ屋敷を出ることも許されず衣服を纏うことさえ認められない。
信じようとしていた相手に躊躇い無く裏切られ何もかもを支配下に置かれた青年は、牛獣人という種族が有する素質と毎日の鍛錬で培った、主が褒めてくれた筋肉質な裸体を好き勝手に追い詰められながら鳴き喚かされるしか無い。自分の持ち主となった憎い男が念じる命令に合わせて従順に動くよう、命令が無ければ尻尾を揺らすことさえ自分の意思では行えないよう首輪に仕向けられてしまった惨めな牛の青年は、自分の指示を全く聞いてくれなくなった手足への絶望に打ちひしがれながら、自分自身の行動で休み無く生み出される苛烈な悦楽にただただ、よがり狂わされるしか無いのだ。

「んもっ、んもぉぉっ! あっ、あもっ、んまおぉぉっ!!」

首輪の制御が追い付かない程の痙攣のせいで、舌を誤って噛まないように。慈愛と言わんばかりの言葉を交えながら装着された金属製の棒口枷ごしにくぐもった悲鳴を発しつつ、牛の青年は自分にとって唯一の主である男がかつて書斎に使っていた部屋の中で意に染まぬ絶頂を迎えた。
だが、哀れな牛はわずかな休息さえ与えてはもらえない。主を名乗る醜悪な男が用意した背もたれの無い椅子のような器具の上に跨がらされ、その器具の上面に生えている男根を模した張型を尻穴に飲み込まされた青年は、硬く勃起した男根が濃く量の多い精液を噴き出させている最中だというのにガクガクと跳ねる足を酷使しての上下運動を継続し自らの指で乳首を弄りながらの肛虐を、主が買った年代物の酒を嗜みつつ悠然とくつろぐ非道な男を愉しませる娯楽として提供させられることしか出来ない。
男が取り寄せた無慈悲な薬品混じりの餌を拒絶さえ叶わぬまま摂取させられ、日に日に自慢であった逞しき肉体を淫らに改造されていく牛の青年は、幾ら絶頂に至ってもすぐさま次の精液を充填させられていく男根をせり上がる射精欲と、本来あるはずの無い膨らみを持ち出るはずの無い白く濁った液体をだらしなく分泌させている己の乳房に更なる屈辱と戦慄を味わわされつつ、主に君臨した男の望みに沿ってイき狂わされるだけの淫猥な奴隷でしか無いのだ。

「おむっ、んもっ、もごぉぉっ! ふぅ、ふぎゅっ、んみゅぅぅぅっ!!」

涙に濡れた目で男を睨み付けながら、イきっぱなしの肉体をまた絶頂させる牛の青年。必ずこの危機を脱して、主との思い出が詰まったこの屋敷を男の支配から解き放ってやる。怒りを露わにした覚悟を滾らせつつ、快感に殴り付けられる理性が崩壊しないよう耐える牛の青年。
その分かりやすく可能な限りの反抗を示す牛の青年を堪能しながら、遺産を受け継いだ男は獣人なんかに愛を注ぐ一家全体が白眼視される程の変わり者であった父に生まれて初めての感謝を覚えつつ、この世界における獣人への正しい扱いを迷い無く続け、獣人らしからぬ幸福に浸った牛の心と身体を本来の獣人らしい無様な隷属へと引き戻すべく、酔いの回った頭で念じ首輪に追い打ちの命令を送り込んでいくのだった。






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