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空っぽの偶像は変わり果てた神事を眺める

2022.06.26.Sun.21:00
その地には遙か遠い昔から、自由を奪った男を淫らに追い詰め悶え苦しむ様を土地神に捧げる儀式が執り行われていた。
時代の変化で実行を断念したり、密かに捕らえた男を監禁し嬲るという形で実行に移されるなどの流れを経ながら、背徳的な神事は細々と受け継がれ続けていた。
その状況が大きく動いたのは、凶悪犯に対する処遇が法で大きく変化した時だ。更生の見込みが無い凶悪犯から人権を剥奪し、国家の収入源として見世物にする法が制定された異常な時代を迎えた村にとってその法は隠し続けた神事を公にし大々的に執り行う理由としては十分すぎる物で、国に掛け合い見世物の場として神事の存在を提案した村は晴れて、常に一定の観光客が訪れる安定した村興しを手に入れることとなった。
もう、隠れてこそこそと神事を行う必要も無い。自分達は後ろ暗い思いをせずに連綿と受け継がれた自慢の神事を披露出来る。
目的であった神事がいつの間にか村の収入を得る手段に成り下がっていることに全く気付いていない村人達。そんな彼らの手で、弄ばれるだけの物体として法的に制定された凶悪犯の男達は今日も、本来の相手である神ではなく観光客を悦ばせる為の悶絶を引きずり出されていた。

「んむぅぅーっ!! んぐっ、ふぎゅぅぅっ!!」
「むっ、もっ、んもぉぉっ!!」

かつては祭りを盛り上げた男衆が履き汚した褌を頭部に巻き付けることで汗臭さを味わわせ苦悶を強いていた神事はもはや、見る影も無い。一年中何時でも悶絶する様を提供出来るようにと汗の香りを合成した特製の媚薬を開発した村の者達は、それをたっぷりと染み込ませたただの白布を用いて凶悪犯達の頭部を取り囲み、嗅覚が鋭敏な狼獣人を始めとした様々な獣人の犯罪者達に気が狂う程の汗臭さを嗅がせ意に染まぬ発情を覚えさせている。
顔を残忍な布に覆われ、手足の指と爪の使用を禁じる黒革製の手袋を嵌められた上で裸体に縄を遊び無く着せられた獣人の男達。木で作られた檻の中に仰向けで転がされ、無防備に恥部を晒した裸体全体を夏の日差しと好奇の視線に炙られながら発情と臭さにいたぶられる極悪人の男達。その人として扱われなくなった男達が紡ぐ悲鳴に満ちた社の前で、ここが淫蕩な拷問の現場になっているとまだ認識出来ず厳粛な神事の場だと信じ切っている村人達は、あらかじめ予約を入れていた団体を引き連れて一人の獣人を入れた檻へと赴き、神事への参加を促す無慈悲な指示を口にした。

「はい、それでは皆さん。性器を取り出してこの生贄を眺めながら存分に扱いて下さい。可能なら顔を包む布を目掛けて精液を浴びせて、この生贄を限界まで追い詰めて下さい。それが、この神事を成功に導く大事な行動となります」
「んむっ!? むぎゅぅぅぅーっ!?」

また、全身に精液を浴びせかけられる地獄がやって来る。それを察した狐獣人の男は凶悪犯とはとても思えない怯えと恐怖に染まった反応を示しながら、二の腕と胸部を結ばれ左右の手首を背中で縛られた腕と、左右をきつく括る縄を数箇所に加えられたせいで一まとめにされた足をめちゃくちゃに暴れさせつつ、顔にあてがわれた布に締め付けられ閉じきった状態に固められた尖った口から哀願の絶叫を放つ。
しかしもちろん、檻に入れられている者達よりもある意味遥かに邪悪な村人達と観光客達は飛ばされた哀願に対して噛み合った動きを返しなどしない。無様に苦しむ姿を望む村人達は神事の順調な進行を嬉しがり、同じ姿を期待して訪れた客達は想像以上の滑稽な様子に興奮を湧き上がらせつつ露出させた男根の摩擦を開始し、何処にも逃げられぬ犯罪者の肉体を放出した精液で彩っていく。

「むっ、ぎゅぅぅぅ!! ぶっ、むぁ……もごぁぁぁぁーっ!!」

村人の指示に従って頭部の布を重点的に精液で狙われ出した狐は、己の罪を悔いる余裕さえ失う程の強烈な匂いに為す術無く理性を蝕まれていく。今自分を嬲っているのが汗臭さなのか、媚薬の香りなのか、精液の淫臭なのかすらも判別不可能な状況に陥りながら今日観光客の手で責め立てられることとなった狐は周囲の檻の中で悶えている犯罪者達に戦慄と絶望を抱かせる絶叫を響き渡らせつつ、縄と精液に塗れた裸体をくねらせ硬く勃起させられた男根を間抜けに振り乱す苦悶の舞で非道な客をこれ以上無く愉しませていく。
国からのいびつな後ろ盾を得た村に、痴態を晒すだけの物体となった彼らを救う存在はいない。本来のあり方を跡形も無く失った神事に異を唱える者も、ここにはいない。
擦り減らされた心に生んだ悲痛な神頼みを聞き届ける者もこの村にはおらず、村人達が勝手に存在を認めている神をかたどった像は何の感情を募らせることも無く、社の祭壇から空っぽの中身で変わり果てた神事を眺め続けていた。






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