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青年は残酷な箱の中で無限に壊れゆく

2022.06.21.Tue.21:00
醜悪な笑みを浮かべながら部屋の端にある台に置かれた小箱へと歩み寄った男が、表情を染める醜悪の色を深めつつ左右の手をその小箱へと迫らせていく。
無論、小箱は何処にも逃れられない。仮に外部の状況を把握していたとしても小箱の中身は非道な男が募らせている悪意から離れられはしない。完全に無抵抗な状態に追いやられた小箱は上部にあてがわれた蓋の部分を右手で外されたことによって充血しきり淫蕩な蜜に塗れた亀頭を晒しながら、箱の側面に位置するスイッチをスライドさせた左手の人差し指に合わせて起動した正面のモニターごしに自身の内部で繰り広げられている悶絶の様を、持ち主となった男に提供させられるしか無いのだ。

「おぉっ!? はっ、ほごぉぉっ……もっ、もぉゆりゅじで! お願いここがらだじでぇぇっ!!」

内側に小刻みな振動を繰り返す残忍なイボが敷き詰められていた蓋を外され、亀頭を容赦無くいたぶられる拷問から解放された青年が自分を弄ぶ無慈悲な持ち主の帰還を察知して喉が破れんばかりの絶叫を放つ。亀頭以外の部分を手の平サイズの小箱に封印され、唯一箱の外部に露出された亀頭に長時間に渡って淫猥で冷酷な研磨を施された青年は、箱に仕込まれた機能のせいでイくことはおろか発狂や失神すらも認められぬ状況で叩き込まれた拷問によってへし折られた心から嘘偽りの無い哀願をなりふり構わずに発している。
だが、誇りを捨て理性と本能の両方で慈悲を請う青年を男はまだまだ許さない。自身の会社を嗅ぎ回っていたスパイという欲望のままに弄んで愉しめる玩具を手に入れた男は、本来の用途である大量の荷物を圧縮して輸送する為の技術を応用した拘束で小箱に閉じ込めた滑稽な青年スパイの屈服を目と耳で堪能しながら、青年側には一切見えていない己の顔を一層残忍に歪めつつこの部屋にやって来た目的である新作の責め具をあてがい始めた。
それは、先程外した蓋と同じく内側に微弱な振動を行うイボを敷き詰めた物体に、球を連ねたような細長い棒を追加した特製の蓋。亀頭全体をイボで磨きつつ男根の中を穴から差し込んだ棒で嬲り倒す。そんな新たな拷問器具を、男は嬉々として取り付け始めてしまったのだ。

「ひぎっ、がぁぁぁーっ!? やっ、いやぁぁぁっ!! やめでぇっ! ぬいでぇぇぇーっ!!」

無論、男はやめない。男根を貫いた棒を用いてわずかに拡張した穴をぐりぐりと蹂躙する男は、過敏に悲鳴の色を変える青年スパイに愉悦を募らせながら、無防備な亀頭を再びイボで取り囲んでいく。

「あぁっ、んぁっ、やぁぁぁっ!! もぉやら、もぉやべでぇぇぇーっ!!」

亀頭をイボで包まれた青年は、心を砕かれるくらいに嫌がっていた研磨をまた加えられ出した。上乗せの責めで男根の内側を棒で震わされ出した青年は、排泄に似た快感と違和感が同時に襲い来る淫獄へと突き落されてしまった。
そうして新鮮な拷問に悶え狂い、滑稽な鳴き声を紡ぎ出す青年スパイをしばし味わった男は、新たな蓋に不具合が無いことを確かめつつ蓋を固定する留め具をしっかり掛けると、まだ半狂乱になっての懇願を飛ばしている青年の顔を映したモニターを再度スイッチをスライドさせることで黒一色に逆戻りさせてしまった。

「だじゅげで! ゆりゅじで!! おにぇがい、ここから……だじっ」

決して聞き入れられぬ助けてを中断させられた青年に対し改めて嘲りと一方的な愛しさを抱いた男は、小箱の中で行われている残虐な責め苦とは裏腹に静まり返った部屋に自分だけの淫らな遊び道具と化した青年スパイを放置し、崩壊とは無縁となった青年が無限に壊れゆく事実に充足を覚えつつその場を立ち去るのだった。






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