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間抜けな犬は置物として取引される

2022.04.12.Tue.21:00
左右の腕を胴体を挟む形となるよう折り畳ませ、間抜けに尖りきり真っ赤に充血した乳首を強調する。足を腕と同じように折り畳んだ上で限界まで開き、パンパンに張り詰めさせられた男根のみならず太く長い張型を最奥まで飲み込んだ尻穴を余すところ無く見せ付ける。
そんな惨め極まりない体勢から逃れたくても、哀れな青年は逃れられない。折り畳まされた手足を付け根近くまで包む白いグロ-ブとブーツ、頭部にあてがわれた白い耳、そして尻穴を満たす張型から垂れ下がった白い尻尾に合わせた犬の芸であるチンチンのポーズから離れたくても、無様な青年は離れられはしない。
犬の衣装を裸体に与えられ、その衣装に仕込まれた肉体の支配権を外部から没収する機構によって望んだ行動を何一つとして取れなくされた惨めな青年はもう、衣装が強要した発情に為す術無く苛まれている肉体を非道な男達の目を愉しませる娯楽として扱われるしか無い。
だらしなく開いた口から舌と共に熱く濡れた吐息を垂らし、涙に濡れた瞳で決して受け入れられぬ哀願の視線を虚しく飛ばすことしか出来なくされた犬の青年はもはや、自分を捕らえ勝手に淫らな火照りを高めていく見世物に貶めた残忍な男達に悲鳴一つすら思い通りには上げられぬ悶絶の光景を鑑賞されながら、男達を憎む心を肉体を嬲る自らの欲望に破壊され尽くされるしか無いのだ。
恥を捨てて胸を突き出し苛めて欲しいと自己主張することも不可能にされた乳首をビクビクと滑稽に跳ねさせながら、疼きを誤魔化すことも禁じられた男根を男達の視線の前で悲痛に脈動させつつ絶え間無く透明な蜜を滴らせながら、犬に変えられた青年は逃げ場の無い熱を何処までも蓄積させられていく。
脳が破裂しそうなくらいの淫欲を溜め込まされても慈悲を欠片も与えられず、乗せられた台の上での硬直を強いられ続けている青年。イきたいと鳴き叫ぶ選択肢も、イかせてくださいと尊厳をかなぐり捨てて縋り付く選択肢も削ぎ落とされた姿で終わりの見えないもどかしい地獄に延々と擦り減らされている青年。
そんな青年を生み出した男達は、肉体の支配権を取り上げる犬の衣装が目論見通りに効果を発揮している事実の確認を兼ねた観察を予定通りに切り上げると、青年を乗せた台の側面に向かって一枚の金属板を押し当てその板の接続を醜悪な笑みを浮かべつつ開始した。
無論、真下を向くことも許されない青年の目ではその板の正体を伺い知ることなど出来ない。視界の端に見える作業の光景と、板の四隅にボルトを撃ち込んでいく機械の駆動音を耳にして怯えるしか無い青年は、板に刻まれた文字を目にして己の末路に絶望することもままならない。
自身が怪盗であったことを示す文章と、怪盗から痴態を晒すだけの犬に堕ちたことを示す文章。加えて本名と、過去に自分が怪盗として盗みに入った屋敷の主の名が買い手として記されている事実を知る由も無い青年犬は、板を取り付ける作業が味わわせてくる振動にも快楽を見出しながら、漠然とした恐怖に打ちひしがれ一切動けぬはずの犬の身体をその恐怖を表わすかのように強ばらせていた。






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