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何も知らぬまま快楽は押し付け合われる

2021.12.03.Fri.21:00
握り拳の状態を強要する鍵付きの黒革手袋を嵌められた男の手は、自由を大きく奪い取られてしまっている。
指を伸ばすことを禁じられた手では、両手首と足首に与えられた黒革の枷とベッドの脚を繋ぐ鎖を外すことも出来ない。内側に突き出た太く短い棒を口に噛ませつつ頭部全体を包み込む形で装着された黒革の全頭マスクを毟り取り、遮られた視界と言葉と聴覚を取り返すことも叶わない。
ベッドの上で裸体をX字に引き延ばした体勢に固定され、鼻の穴以外の部分を覆うマスクのせいで見ることとしゃべることと周囲の音を拾うことを不可能にされた。そんな無様な男に取れる行動は、一つしか無い。それは、右手を窮屈に閉じ込める黒革の内部で握り込まされた細い棒状の機械を操作することだけ。棒の端に付いているボタンを押し込み、閉ざされた視界の向こうに存在する無慈悲な機械の駆動を調整することだけ。ボタンを押す以外の行動を封じられた右手を必死で動かし、無防備にさらけ出された淫らな弱点を容赦無くいたぶる機械達の責めを停止させ続けることだけしか、今の男に出来ることなどありはしないのだ。

「んーぅっ! んぐっ、ぶむぅぅ! ふぅ、むぐっ……んぉぉぉぉんっ!!」

鼻を間抜けにプスプスと鳴らし、拘束された裸体と黒に包まれた頭部をめちゃくちゃに悶えさせながら、くぐもった悲鳴を放ちつつ男が右手の親指でボタンを何度も何度も押す。そうしてボタンが押される度に、男の左右の乳首に被せられたドーム状の淫具と、男根に被せられた筒状の淫具と、尻穴に押し込まれている小さな球を連ねた棒状の淫具はその動きを停止する。
だが、その停止はほんの一瞬で。乳首の淫具はすぐさま責めを再開してドーム内に仕込まれたシリコン製の器具を回転させて三方向から緩く締め付けた乳首を舐め回すように刺激し、男根の淫具は内蔵された柔らかな壁を小刻みに蠕動させつつ震わせて何処にも逃れられぬ男根を甘く無慈悲に揉み込み、尻穴の淫具は自身を違和感無く奥深くまで飲み込めるくらいに緩んだはしたない腸壁を激しい首振りで掻き回し、拒絶したばかりの望まぬ快楽を男に味わわせていく。
ボタンを押しても、悦楽からは抜け出せない。それを知っていても、男は絶頂を遠ざける為にボタンを押し続ける。塞がれた視界の先で醜悪に微笑み、自身の惨めな鳴き声以外を聞けなくされた聴覚の外側から愉快の感情を露わにした嘲りの言葉をぶつけているであろう憎い男達の思惑通りになどされたくない。そんな屈辱と恥辱に抗う意思を淫らな苦しみの中で維持している男は、敵達が見たがっている自分の絶頂姿を晒さないよう震える右の親指でボタンを連続で押し続ける。
別の場所で同時に捕らわれた仲間が、同じ拘束と同じ淫具達と同じボタンを施された状況で真横にいる。その情報を手に入れる術を削ぎ落とされた男達は、ボタンを押す度にそれぞれの淫具が交互にオンとオフを切り替えることにも全く気付けぬまま、悪達の想定に従って絶頂を押し付け合う滑稽な痴態を晒し続けてしまっていた。

「むー! んぐっ、ぶふっ……んみゅぅぅぅっ!!」
「うぐっ、むぶぅぅ! んぉっ、ふむっ、むぐぅぅぅぅぅっ!!」

イきたくない。敵に見られながらの射精など迎えたくない。同じ思いを抱えた仲間が隣のベッドの上で悶え苦しんでいることを知る由も無い男達が言葉にならない声で鳴き叫び心と身体を協力して淫猥に擦り減らしていく様を堪能しながら、男達は余計な情報を放って残酷な事実を悟られないよう万が一を警戒して引き結んだ口を黒く吊り上げつつ、細めた目と自らの男根で滾る冷酷な獣欲を際限無く膨らませ無駄な我慢の果てに仲良く陥落した二人を直接弄ぶ最高の娯楽に対する期待を胸の内にふつふつと湧き上がらせていくのだった。






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