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雄々しき肉体は意地悪な主に独占される

2021.09.20.Mon.21:00
愛しい男が雄々しき姿を魅せ観客を大いに沸かせた祭りの盛り上がりを思い出しながら、青年は数時間前の喧噪が完全に失われ暗闇に覆われた神社の方角を屋敷の二階から眺めつつ、手にした杯の中で揺れる酒を口へと運んだ。
褌のみを纏った逞しき肉体で同じ服装を取った男達と共に神輿を担ぎ上げ、祭りの最後を飾る太鼓の囃子を力強くかつ優雅に務めた様子を思い出しながら青年は含んだ酒を飲み干した口で小さく微笑み、空になった杯を背の低いテーブルの上に戻しつつ左隣にいる男に話し掛けた。

「祭りの時の○○さん、とても美しかったですよ。普段でも見惚れるくらい美しい身体をしているのに、汗を輝かせながら筋肉を逞しく震わせて催事に励む姿は、眩しいくらいに美しかったです」

嘘偽りの無い褒め言葉。そんな嬉しいはずの評価を受けた男は、何一つとして返事を口にしない。
一切の反応を示さず、無言を貫く男。祭りの際に辺り一帯に響く掛け声を発していたとは思えない静かさを保つ男。その愉快な男の様子を椅子に腰掛けた体勢で満足げに頷きながら味わった青年は、祭りの時からずっと着たままの浴衣を興奮を滾らせた男根が内側から押し上げている様を隠しもせずに立ち上がると、これまで音と気配のみで味わっていた男の方に身体を向け、ほんの数時間前の人々を魅了した姿を完全に失った男に粘ついた口調で語り掛けた。

「だけど、一番美しいのは今の○○さんですよ。こんなにも立派な身体をしているのに、華奢な僕に何をされても逆らえない。自分よりも年下な上に貧弱な僕が与えた命令を忠実に守って何もしゃべらず、さっきまで自分が活躍してた場所から見えるところではしたなく発情している可愛くて淫乱な○○さん以上の美しい物なんて、他にありませんよ。○○さんも……そう思うでしょう?」
「っ! っふ……!」

先程寄せられた物と同じ、嘘偽りの無い本心からの賛辞。使用人である男にも礼儀正しく接する優しく穏やかな屋敷の主の仮面を捨て、意地悪く情熱的に愛をぶつける絶対的な主人の雰囲気を醸し出しながら淫猥な痴態を褒めつつ右の脇腹を右手の指先で撫で上げた青年の不意打ちに驚いた男は、主が愛しく思っている筋肉に覆われた肉体を激しく跳ねさせ甘い悲鳴が漏れないよう口を塞ぐ白布の猿轡を強く噛み締めた。

「ふふっ……本当に○○さんは従順ですね。僕に苛められるのが大好きな○○さん。僕の手で自由を奪われてはしたなく身体を火照らせている○○さん。祭りに来た皆さんを惹き付けたこの逞しい身体を悩ましげにくねらせながら、気持ち良くなりたくてビクビク脈を打ってるおチ○チンで褌を揺らしてる淫乱な○○さん。もっともっと追い詰めて……言い付けを守れなくさせたくなるくらいにエッチですよ」
「っ!? っ、っく……っ!」

右脇腹を撫でた青年の右手が割れた腹筋を確かめるように動き、左右の足首とすね同士を縄で縛めた足をくすぐるように這い、手首同士をきつく括る縄と頭上の梁を結合されたことで万歳の位置から腕が下りられなくなった為に丸出しとなった腋を汗ばんだ毛を弄びつつ弄り倒す。左手は、苦しげに眉根を寄せている目を覆う白布の目隠しをからかうようにつつき、歯を割って噛まされた白布のせいで命令を解かれても言葉を自由には紡げなくされた口から顎へと垂れ落ちていた唾液を掬い、指先で取った唾液を潤滑油代わりにしてピンと尖った左の乳首をくにくにと巧みに捏ね回す。
その全ての刺激が、気持ち良い。被虐を嬉しがる男の心は何もかもを捧げた年下の主に弄ばれている事実を至福と捉え、上下に引き延ばされた格好を強要された肉体をくねくねと踊らせながら腰を前後に振り、布を先にずらす形で外部に露出させられた男根に覆い被さっている褌の前掛け部分をはたはたと揺らめかせている。
けれど、男は声を発しない。呻きは漏れても、快楽に溺れた鳴き声は放たない。主の命令を頑なに守り、声を必死に留める自分に服従を誓った男の無言での悶絶を背後から伸ばした手で知り尽くした弱点を嬲りつつひとしきり堪能した青年は、言い付けを破った罰と称して愛しい男を甘く苛め抜く展開を引き寄せる為に、限界寸前の男にとどめの悦楽を注ぎ始めた。
青年ははためいていた褌の前掛けを左手で握り男根全体が汗に濡れた布に囲われている状態を作り出し、右手で白に包まれた男根を褌ごと熱烈に扱き、命令を守り切れずに声を上げさせることを目的とした摩擦の悦楽を鬼畜な愛情を込めて開始してしまったのだ。

「っぎゅ!? ご、む、お……っ!」
「気持ち良いですね、○○さん。このまま続けられたら、あっという間に声が我慢出来なくなっちゃうくらいに気持ち良いですね、○○さん。ほら、耐える必要なんて無いですよ、好きなだけイってください。僕の手でみっともなく鳴き喚きながら、僕しか知らない○○さんの美しい痴態をどんどんさらけ出しながら、気持ち良いお仕置きでよがり狂う○○さんを……全部独占させてくださいね? 僕だけの○○さん?」
「ふぅ、んふぅぅ! もっ、むぐぅっ……!」

抑えきれぬ淫猥な悲鳴を上げ、与えられた命令を破りつつ絶頂へと近付いていく愛しい男を味わいながら、青年は祭りの準備が忙しくなってきたからと快楽をお預けにしていた男根が幸せそうに震え射精に迫っていく様子を左右の手で確かめつつ、後ろから密着した何処にも逃れられぬ裸体が行う悦びを露わにした身悶えを身体中で感じ、男への愛と執着を更に深めていくのだった。






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