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非道な熱気と共に男は置き去りにされる

2021.07.23.Fri.21:00
暑い。苦しい。それ以外の思いを紡ぐことすらも叶わない状況で、男は閉め切られた窓から強烈な陽光が差し込む部屋に放置され続けた。自由を奪われた肉体をもがかせる余裕も、言葉を封じられた口で助けを求める唸りを放つ気力も絞り出せぬまま、男は一人きりで絶えず襲い来る熱を堪え続けた。
意識を朦朧とさせながら、無意識に体力の消耗を抑える行動を取りつつ耐えに耐える男。このまま死ぬまで置き去りにされるのではという恐怖を募らせながら、永遠とも思える拷問に苦しむ男。そんな無様な男を作り出し、たった三十分で滑稽なくらいに衰弱している様子を無言で笑い飛ばした男達は、閉ざされた視界の向こうで響いた自分達の靴音すら認識出来ない程に追い詰められた床の上の男を取り囲むように片膝を付きつつ、男を閉じ込めている黒革製の細長い袋に存在しているジッパーを下ろした。
慈悲を与える為では無い。肉体を包む黒革と、裸体に直接着せられた黒いラバー製の拘束服に蓄積した熱気に嬲られた男を嘲り、その惨めさを堪能する為だ。

「よぉ、捜査員さん、久しぶり。特製の蒸し風呂の加減はどうだったかな?」
「おや? 随分と情けない目になってるじゃねーか。ついさっき俺達に見せてた反抗的な目は何処行ったのかなー?」
「えぉ、はぁっ……!」

ジッパーを少しだけ下ろされ暗闇から解放された視界に醜悪に微笑んだ憎き悪達が映り込んでも、捜査員と呼ばれた男は屈辱さえ覚えられない。裸体の首から下を隙間無く覆い、左右の腕を背中で伸ばしきったまま一つにまとめて圧迫し、左右の足をきつく密着させる機構を備えたラバースーツに詰め込まれた哀れな捜査員は疲弊した己を罵る言葉を悪達から浴びせられても、怒りを思い出すことすら叶わない。
口に装着された金属のリングに蓋を施していた黒色のゴム栓を外された捜査員は、正義の立場を捨てた哀願を弱々しく漏らすことで精一杯だ。閉じられない口で敗北を認めるのと同義である救いを求める言葉を零す。そんな選択肢を取らざるを得ないくらいに、捜査員はもはや心も身体も打ちのめされてしまっていた。

「おぅ、ひやら……ひゅるひへ、らひへ……みひゅ、のあへへ……っ!」

唯一思い通りに動かせる目で自分を見下ろす悪全員に縋る視線を向けながら、捜査員は熱の責めからの脱出を悲痛にねだる。働きの鈍った脳で改めて死に怯えながら、捜査員は自分をここまで追い詰めた張本人である悪達に水分を希求する。
すると、非道な悪達はそれを待っていたと言うかの如く捜査員の視界に入らない位置に隠していた小さなペットボトルをそれぞれ取り出し、まるで寛大な処置であるかのように一方的な言葉を発しながら、自身が手にしたボトルの中身を、組織に属する数十人分の精液をまとめた冷酷な液体を、開きっぱなしにさせた捜査員の口へと流し込み始めた。

「ほーら、お待ちかねの水分だぞー? たんと飲めよ?」
「あぶっ!? ぼごっ、ぶぁぁっ! えぶ、ぼぁ、ごぶぅぅ!」
「おいおい、せっかくの水分なんだから零すなよ? ほら、二本目行くぞ。次は零さないよう飲み干せよ?」
「んぐっ!? むぎゅぅぅっ!? ごっ、ほぼっ、ぶぁ、えぶぅぅ!」

突然に口内へと注がれた精液の味と量に悶絶する捜査員を目にしても、悪達は一切意に介さない。顔を振って口内を満たす精液を排出出来ないよう頭部を抑え込まれた捜査員が、窒息を避ける為に必死で精液を飲み干して行く姿を愉しみながら、悪達はまだ前の精液が残っている捜査員の口の上で次のボトルを傾け、新たな精液で無防備な口を蹂躙していく。
そうして、飲みたくないのに精液を飲まされる残忍な責め苦が何分続いた頃だろう。認めたくないが確かに潤され焼け付くような痛みが引いた喉の淫らな安らぎと、その安らぎを遙かに上回る屈辱に苛まれながら頭部の左右に散った精液の間で乱れた呼吸を繰り返す捜査員という最高に愉快な痴態が繰り広げられ始めた頃、悪達は空になったペットボトルをまとめつつ先程外した口枷のゴム栓を再度施し、何の躊躇いも見せずに黒革袋のジッパーをまた閉じ出した。

「全く……飲み干せって言ったのにこんなに零して。簡単な言い付けも守れない捜査員さんには、また三十分放置のお仕置きだ」
「今度は精液の匂いと一緒に暑さで苦しみな。俺達はクーラーの効いた部屋で涼んでるから、戻ってくるまでに精液をちゃんと飲まなかった悪い自分を、しっかり反省しておくんだぞ?」
「あぶっ、ぼぉぉっ!? ぐぶ、ぼあぁぁぁっ!」

助けてを乗せた絶叫を放っても、当然それは無意味で。
捕らえた捜査員を嬉々として弄ぶ悪達は叫びを聞き流してジッパーを閉じきり、裸体を縛めるラバースーツを耳障りに軋ませ汗と淫臭を携えた熱気が充満した黒革の内側で鳴き喚く捜査員を高温となった部屋に残し、たった数分の滞在で噴き出した汗を拭いながら宣言通りに冷え切った別室へと談笑を交えつつ戻っていくのだった。






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