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穴の中で男達は快楽に溺れる

2021.07.18.Sun.21:00
左右の手に握り拳の状態を強いる黒革製の鍵付き手袋を内側から変形させながら、二の腕を胸部に括り背中で重ねさせられた肘から手首までの部分をきつく縛る上半身の縄に力を込めても状況は変わらない。固く丸めた布を押し込まれ、専用の溶剤が無ければ決して剥がせない強力な黒色の粘着テープで栓を施された口でくぐもった唸りを発しながら左右の足首と太もも同士を縄で遊び無く結合された足をじたばたともがかせても、男達は苦悶からの脱出はおろか同じ空間に閉じ込められたすぐ隣にいる仲間の縛めを緩めることさえ叶わない。
厳重な縄拘束によって身動きを大きく制限された哀れな男達は、幾ら試行錯誤を繰り返しても地下室の床を掘り抜く形で作られた縦長の穴から抜け出せない。手の指の使用と言葉を封じられた惨めな男達は、お互いの縄を手袋越しに虚しく撫でながら、穴に施された透明な蓋を見上げつつ悲痛な鳴き声を漏らして為す術無く悶え苦しむしか無い。
敵の手に堕ち、自由を奪われ、外部に声の届かぬ地下の床下にしまい込まれた男達は、逃げ場の無い狭い空間に絶えず送り込まれる残忍な気体に、精液の匂いを付けた強力な媚薬混じりの空気に無防備な鼻腔を嬲られながら、意に染まぬ発情がもたらす火照りによって仲良く狂わされるしか無いのだ。

「んふっ、んぐっ、ふぶぅぅ……っ!」
「うぐ、むぐぅ! あぉ、ごぉっ……!」

涙に潤んだ目を痛々しく見開きながら半狂乱になって縄との格闘を行っても、やはり状況は変わらない。意味のある言葉を紡げなくされた口から切羽詰まった呻きを放ちながら身をよじらせても、呼吸の度に鼻へと流れ込んでくる精液の香りと、媚薬がもたらす欲望の加速は拒めない。
嫌がる意思とは裏腹に遠ざける方法が一切見付けられない淫獄に苛まれながら、二人は必死で理性を保ち陥落を否定し続けた。汗に塗れた裸体を酷使して縄を解こうと協力し、時折穴の壁や仲間の肉体に触れて強烈な悦楽を覚える男根が喚く衝動を抑え付けながら、男達は崩壊寸前の意識で励ましの視線と呻きを送り合い希望を抱き続けた。
しかし、そんな忍耐が永遠に継続出来る道理など無い。じわじわと擦り減らされた男達はやがて、淫猥な欲望を己がはね除けていた理由を失い、縄から抜け出すことと淫欲を追い求めることの優先順位を自らの意思で逆転させられていき、とうとう二人同時に理性の糸が千切れた瞬間に生殺しの地獄を味わってまで溺れないようにと努めていた甘い快楽に仲良く溺れ、それまでの過程が嘘のような幸せ色の悲鳴を放ちつつ二本の男根をすり寄せながらの絶頂地獄へと陥り出した。
男達は眼前の仲間と共に誇りを捨て、尊厳を忘れた色狂いへと堕ちる道へと、何の疑いも持たずに転げ堕ち始めたのだ。

「んむっ、むふっ、ぶむぅんっ! んもっ、むぉぉんっ!」
「うー! むぅ、むぅぅんっ! んぐ、むふ、うぅぅーっ!」

硬く勃起した男根を一生懸命に刺激し、仲間と一緒に射精を次々と迎える男達。塞がれた口で熱烈に唇を重ねて興奮を高め合いつつ、呼吸を乱した鼻でこれまで以上に自分達の精液の淫臭が混ざり合った媚薬の気体を吸い込み一層無様に壊れていく男達。
その、完全に屈した男達が立てる鳴き声と淫蕩な水音を聞き、二人に伝えていなかった地下室の天井に取り付けられた小型カメラの映像で滑稽な痴態を堪能する男は、自身の組織を嗅ぎ回った二人の愚かな男が嬉しそうにイき狂う光景を目と耳で愉しみつつ無言で手元の機械を操作し、男達の崩壊の後押しを目的として穴に注入する気体に混ぜた媚薬の濃度を無慈悲に引き上げていくのだった。






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