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気高き反抗は許しを請う仲間達の間で保たれる

2021.06.22.Tue.21:00
「うぁっ、おぅぅ……! んっ、ぐぅ、むあぉ……っ!」

真っ赤な革で作られたスーツに全身を閉じ込められた青年が、スーツ内に突き出た棒を噛まされたことで言葉を封じられた口からくぐもった唸りを漏らしつつ自由を取り戻そうと必死に肉体をもがかせる。
革に視界を閉ざされた目を悔しげに歪ませ、背中で左右をきつく圧迫され伸ばしたままの状態に固定された腕を情けなく揺らし、スーツ表面の金具同士を繋ぐことで左右を密着させられた足へと一心不乱に力を込めながら、青年は唯一外気に触れている鼻から間抜けな呼吸音を鳴らしつつ自分を連行する男達の悪意から逃れようと抵抗する。
だが、状況は何も変わらない。不自由な肉体をよじらせ全身を覆う革を耳障りな音と共に擦り合わせながらなりふり構わずに足掻いても、青年は自分を小さい歩幅で無理矢理に移動させる男達の手を煩わせることさえ出来ない。

「むぐっ、うぅぅ! ふぅ、んふっ、むふうぅ……っ」

どうすれば、この危機を脱せるだろう。考えても考えても答えは出ない。革の内側に蓄積した熱に浮かされている脳から思考を放棄してじたばたともがいても、やはり青年は捕らわれ身動きを完全に没収された事実を覆せない。
ありとあらゆる選択肢を潰され、抗いすらも満足に行えなくされた惨め極まりない青年。そんな青年に残された道はもう、一つしか無い。それは、自分を捕らえた憎い男達の思い通りに新たな拘束を加えられ、為す術無く辱められる絶望に満ちた道だ。

「到着。お疲れ様、ヒーロー君」
「早速、お仲間と同じ格好にして、休ませてやるからなー?」
「うぐっ、むぐぉっ……ふぶぅぅ!」

意に染まぬ不自然な歩行で消耗させられた青年は、ヒーローである自分と四人の仲間を生け捕りにした悪達の動きを拒むことも叶わぬまま、先に連行されていた仲間達と同じように地下室の床に置かれた器具による追い打ちの拘束を施されていく。
両隣から聞こえてくる仲間達の打ちひしがれた呻きを耳にしながら、青年は器具の上にうつ伏せで転がされ、革に縛められた肉体を更に容赦無く縛められていく。

「うぅっ……んぐぅぅ……!」

力無く振り回そうとした足を素早い動きで後ろへと折り曲げさせられ、拘束スーツの腕部分と足部分に位置する金具を幾つもの鎖と南京錠で結合されてしまった青年ヒーローはもはや、立ち上がることすら許されない。分厚い板状をした金属製の器具の各所に存在する金属の輪と、拘束服の表面全体に取り付けられている金具を手足を結ぶ物と同様に鎖と南京錠で執拗に繋がれてしまった青年ヒーローはもはや、みっともなく床をのたうち回ることさえも出来ない。手も足も出せず、見ることもしゃべることも禁じられ、五人仲良く無様に板へと縫い付けられたヒーロー達。黒、緑、青、黄色、そして赤、自身が身に着けていたヒーロースーツに合わせて作られた拘束スーツに封じ込められた肉体を、敵対していた悪の前で惨めにくねらせることしか出来ない滑稽な青年達。
そんな五人の愉快な様子に笑みの残忍さを深めた悪の男達は、もたらした拘束に不備が無いことを入念に確認しつつヒーロー達のすぐ目の前にある器具の扉を開き、何の躊躇いも無くそこから取り出した機械をプスプスと鳴っている五人の鼻に装着し、五つの正義を瓦解させる為の淫獄を、嬉々として味わわせ始めた。

「っぎゅ!? ぼっ、ぶむぅぅぅっ!?」
「あごっ、ぎゅぶっ、ぼもぉぉぉっ!?」

鼻の穴に接続された機械から流れ込み出した甘ったるい香りをした気体に心の底からの恐怖と戦慄を募らせながら、青年達が必死に顔を振って器具を外そうと試みる。
そんなことをしても息が乱れ、余計に媚薬混じりの空気を吸入してしまうだけだというのに。残酷にほくそ笑む悪達の表情も分からない哀れなヒーロー達は、無意味どころか自身への淫らな苦悶を加速させるだけに終わってしまう試みを器具から伸びたコードを揺らし鼻息を荒げながら繰り返す。
その愉快な試行錯誤を眺め、満足そうに頷きながら、悪達は何処にも逃れられずこれから呼吸の度に強まっていく発情を拒むことも不可能になった五人に笑い混じりに冷酷な別れを告げ、地下室を一人また一人と去り始めた。

「さよなら、ヒーロー君達。明日の朝まで良い子に苦しんでるんだよ?」
「正義の誇りとか、友情の力やらで精々頑張って……狂っちまわないよう耐えてみせな。ヒーロー君達?」
「ぶぅぅぅっ!? おぐっ、もぉぉぉっ!!」
「むぅぅぅぅーっ! んっ、むぅぅ! ぶみゅぅぅぅぅぅーっ!!」

置き去りにされる。口にされたその事実に対して怒りと哀願が混ざり合った絶叫を返すヒーロー達の声に歪んだ興奮を膨らませながら、悪達はわざと軋む音を立てつつゆっくりと扉を閉め、じょじょに鳴き声の悲痛さを濃くさせていく五人の光景を、許しを請う四人の仲間に挟まれた位置で赤い拘束服越しでも分かる反抗の態度を未だに保つリーダーである青年の姿を、存分に愉しみ続けていた。






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コメント
いつもたいへんお世話になっております()今回も最高の作品をありがとうございます。各作品とも大好きなのですが、特に強気な受くんがお鼻をいじめられる作品が特にフェチで、たいへんに興奮いたしました。間抜けにお鼻をいじめられる男達をもっと見てみたいです...!
これからも応援しております^^

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