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穏やかな関係は冷酷に上書きされる

2021.06.01.Tue.21:00
上等なスーツに身を纏った男が、店中に陳列された商品に次々と目を通していく。どれが息子に相応しいだろう。贈られた側である息子の喜ぶ顔を想像して無意識に表情を緩ませながらプレゼントとして購入する商品を選ぶ男。そんな男の目に、一つの商品が留まった。
それは、他の商品達よりも遥かに高い値段がつけられた商品で、なおかつ男にとっては深く記憶に残っている存在だった。

「んぅ、むぐっ!? んーぅっ、ぶむぅぅぅっ!!」

男に気付いた存在が、透明な強化ガラスで作られたケースの内側で拘束姿を惨めに飾られている少年が、裸体をくねらせつつ助けての意思を乗せた視線と唸りをなりふり構わずに飛ばす。すると、その声に異常を察した店員が少年と同じようにケースへと詰め込まれた青年や男の間を通りつつ喚く少年とそれを眺めている男の元へと歩み寄り、遠慮がちに声を掛けた。

「お客様、いかがなさいましたか? この商品が何か粗相でも……?」

上客である男に対し、下手に尋ねる店員。そんな店員に、男は少年が喚き出したであろう理由を説明しつつ、逆に問いを浴びせた。

「いや、実はこの商品は息子の友達でね。何度か私とも会ったことがあるんだ、だから喚いているんだと思う。しかし、彼はどうしてここにいるんだい? 私が知る限り、ここに飾られるような子じゃなかったと思うんだが……」

必死に放つ懇願を冷静に分析する友人の父の様子に、ケース入りの少年が恐怖と絶望を募らせる。そうして打ちひしがれる少年を横目で見つめながら、店員は少年が商品へと貶められた経緯を語り始めた。

「えぇ、この商品は私共の組織を探っていた少年探偵でしてね。表向きには警察が突きとめたことになっていますが、私共はこの少年探偵のせいで数え切れない程の被害を出されていたんですよ。それをようやく捕まえて、商品に作り変えてやった、という訳です」
「なる程ね……噂には聞いてたけど、君がその探偵だったのか。○○と仲良くしてくれてたのも、私経由で組織のことを知るつもりだったのかな? 私は哀しいよ」
「むぅっ!? んまっ、むぐぁぁんっ!」

男の発言を否定する思いを込めて、少年探偵が言葉を封じる赤いギャグボールの穴から唾液と共にくぐもった声を放つ。その反応を予定通りの物として愉しんでいる男の表情に気付く余裕も無い程の怯えと戦慄に苛まれている少年は、背中に回された両腕の指先から二の腕までを覆って圧迫する黒革製のアームバインダーと左右をきっちり揃えさせられた足の膝下からつま先までを隙間無く包んで締め付ける黒革の拘束具を装着され手足の拘束を鎖と南京錠で短く結合され正座の体勢から離れられなくされた裸体を透明な檻の中で踊らせつつ、無意味な懇願を繰り返し丸出しの乳首と幼い男根を揺らして非道な男を、友人の父を余計に悦ばせていく。
そして、惨めに許しを請い助けをねだる少年探偵の光景を存分に味わい、愉悦を最高潮に高めた男は一生懸命に解放を希求する少年から目を逸らし、店員に自身の意思を伝えた。

「彼を、購入させてもらうよ。他人を騙す悪い子には、騙されかけた私がきっちりとお仕置きをしてやらないとね」
「っ……!?」

目を見開きながら、少年がケースの中で驚愕する。友人の父に金で買われる、その情報に絶望色の驚きを抱きつつ、少年は呻きを漏らすことも忘れて縛められた裸体を小刻みに震わせる。

「はい、かしこまりました。では、息子さんへの贈り物はまた今度という形でよろしいでしょうか?」
「あぁ、それで頼むよ。次までに、同じ年頃の商品を集めておいてくれ。その中から選ばせてもらうよ」
「はい、ありがとうございます。それでは、梱包の方に取り掛からせて頂きます」

梱包の為の準備に必要な道具を取りに店の奥へと戻っていく店員を見送り、ただただ哀れに身を跳ねさせる少年探偵に視線を再度移した男は、自身が購入した少年に黒く歪んだ満面の笑みを浴びせつつ、冷酷な飼い主と友人の父としての立場が混じり合った言葉を嬉々としてぶつけた。

「それじゃあ□□君、今日からよろしくね。基本は私専用の玩具だけど、私が忙しい時の世話は○○に任せることになると思う。私以上に意地悪で容赦の無い責めをする子だけど……○○の為に後から買う玩具の子と一緒に、あの子と末永く仲良くしてくれよ? □□君?」
「うぁ、む、あおぉ……っ!」

友達の父から、支配者に。ただの友達から、無慈悲な世話係に。非道な犯罪組織に拉致された時には欠片も想像していなかった冷酷な関係の変化をもたらされた少年探偵は、現実から目を逸らし逃げ出すかのように自分をケースの外から観察する男から視線を外し狭いケース内を思い通りに動かせぬ裸体で後ずさりし、その無駄な現実逃避で友人であった父にまた新たな愉悦を湧き上がらせていた。






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