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スパイは甘く悶える様を呆然と観察される

2021.03.14.Sun.21:00
真っ暗だった部屋に、突然照明が一気に点される。その直後に部屋の入り口である扉が勢いよく開き、焦りを込めた叫びを発しながら十数人の男が室内へと雪崩れ込んできた。

「居たぞ! あそこだ!」
「奴を捕らえろ! 決して逃すな!!」

その声を耳にした男は、明かりが点されると同時に素早く取り外していた暗視ゴーグルを床へと投げ捨て、内容を記憶した書類と手近にあったその他の書類の束を煙幕のように撒き散らして己の姿を紛らわせつつ、スパイとして培った身体能力を駆使しての脱出を試み始めた。
スパイである男を発見した男達は当然逃れようとする肉体を抑え込もうと飛び掛かるが、触れることすらも叶わない。スパイは木々の間を吹き抜ける風のような軽やかな身のこなしで自分へと迫る男達をひらりひらりとかわしていき、男達が現われた扉に向かってまんまと逃げおおせていく。

「とめろ、とめろぉっ!」
「このまま逃がすなぁっ!!」

よろけた体勢を立て直しつつ自分を再び追いかけ出した男達をわずかに振り返ったスパイは、この距離ならば間違いなくあの男達を撒けると、脱出の第一関門であるこの部屋は突破出来ると判断した。
スパイに対して行った組み付きを回避され転び掛けた肉体を正しつつ走り出した男達は、あっという間に部屋の出口へと辿り着いたスパイの背を目にしつつ、この距離では追いつけないと察して絶望を募らせた。
しかし、彼らの予想は全く想像していなかった形で崩された。スパイを捕らえる為にやって来た男達にも告げられていなかった機構が、スパイが重要な書類が保管されている部屋内へと忍び込んだ後に作動させられた秘密の警備機構がその威力を発揮し、スパイの身体能力を上回る速度での捕縛を行ったのだ。

「うぐっ!? あぁっ!?」

部屋の外である廊下に走り出たスパイは、男達がやって来る十分程前に部屋へと潜入した時には存在していなかった天井の穴から飛び出した柔らかな棒状の黒い器具によって左右の足をぐるぐると一まとめにされ、前のめりに倒れ込んでしまった。顔が床にぶつかる衝撃と痛みに呻きながらも、スパイは即座に状況を把握して足に加えられた拘束を解こうと腕を伸ばす。
だが、スパイが拘束との格闘を試みるよりも早く、先程器具を飛ばしたのとは別の穴から新たな器具が飛び出す。不正な手段で部屋の鍵が解錠されると同時に自動で作動し、特殊なICチップが埋め込まれた組織の構成員の証であるカードを所持していない者を狙って拘束器具を発射してくる機構は、逃れる為の足掻きを挟む猶予さえ認めずにスパイの全身をあっという間にぐるぐる巻きに縛り上げていく。

「うっ、あぁっ!? やめ、離せっ……んむぁぁっ!?」

足を縛める拘束を外そうと伸ばしていた腕が胴体へと括り付けられる。危機を感じ焦燥に震えた声を発していた口が、開かれた歯の間を精密に狙い撃って飛ばされた器具によって塞がれる。そうして容赦無く次々と放たれていく器具に包み込まれていくスパイは、一分も経たない内に器具に覆われていないのは頭頂部とつま先くらいという状況へと追いやられてしまった。
手も足も出せない。見ることもしゃべることも許されない。ただただ芋虫のように床の上でのたうち回ることしか出来ない惨め極まりない格好のスパイ。そんなスパイに対して、過剰なまでに装着された拘束達はとどめの責め苦を、反抗に必要な気力と体力を跡形も無く削り取る苦悶をもたらした。非道な拘束達は自身から微弱な電波を発し、逃げ場の無いスパイの肉体をその電波で嬲り、意に染まぬ強烈な発情と快楽を無理矢理に味わわせ始めたのだ。

「むっ、ぎゅぅぅぅっ!? あぶっ、んもっ……まぉぉぉぉーっ!!」

身体中に巻き付いた黒の内側に閉じ込められ、前触れ無く襲い掛かってきた甘い地獄にくぐもった声で鳴き叫び、拘束の隙間からかすかに入り込んでくる空気を欲して鼻を間抜けにプスプスと鳴らしながら身動きを完全に封じられた肉体を床の上で堪えきれぬ絶頂に合わせて痙攣させるスパイ。その痛々しい痴態を、男達は自分達にも知らされていなかった機構でスパイを捕獲した自身の組織の首領が現われる時まで滑稽に悶絶しつつ情けなく絶頂を繰り返すスパイの苦悶に満ちた痴態を、訳も分からずただ呆然と眺め続けていた。






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