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男は手も言葉も出さずに淫猥な崩壊を味わう

2021.02.27.Sat.21:00
左右の手首、そして足首に巻き付けられた黒い革製の枷と天井の金具を遊び無く結んでいる太い鎖は、幾ら力を込めても外れはしない。左右の肘と、膝に装着された黒革の枷を部屋の壁へと繋いでいる頑丈な鎖も、生身の男が必死にもがいた程度では決して壊せなどしない。
自力ではどうやっても抜け出せない厳重な拘束を加えられた哀れな男の裸体はもはや、地下室の中央に置かれた台の上のクッションに背中を預けた体勢から離れられず、間抜けに手足を真上へと伸ばさせられた格好からも逃れられない。
文字通り手も足も出せない。そんな惨めな男は衣服を奪われ露出されられた淫らな弱点をいたぶる機械を毟り取ることも出来なくて、男は一人きりで置き去りにされた地下室の中でとめることも振り払うことも叶わない無慈悲な淫具を絶望の眼差しで見つめながら、確かな悦楽を感じさせられつつも絶対に絶頂には至れない生殺しの苦悶に為す術無く苛まれ続けていた。

「あぁ、うぁっ、はぁぁっ! イぎっ、だいぃ……! もぉ、やら、やめへ……イかしぇてぇぇ……っ!!」

見開いた瞳から涙を零し、だらしなく開いた口から唾液を垂れ流しつつ、男は自分だけの地下室に哀願の悲鳴を響かせる。反抗の意思を完全に失い、甘い刺激を嫌がる思考を跡形も無く粉砕された無様な男は、誇りと我を忘れ絶頂を心からねだっている。
しかし、どんなにねだろうとも絶頂は目前の位置から近寄ってきてはくれない。半狂乱になって射精を渇望してみても、勃起した男根を先端から根本まですっぽりと包み込み、尻穴を奥深くまで埋め尽くした状態でもどかしいだけの緩い振動を繰り返している白色をした筒状の器具と男根を模した黒い張型を金属の棒で宙に支え電力と責めの指示を送り込んでいる恥部の前に置かれた巨大な箱型の機械は男の願いを無視して射精には辿り着けぬ足りない快感を流し込み続けるだけだ。
筒状の器具の中で男根を動かせれば摩擦の刺激で達せるのに、縛められた男は情けなくへこへこと腰を振ることも許されない。腰を夢中でくねらせ張型を用いて腸壁を掻き毟れればその刺激で精液を放出させられるのに、男は陥落した己の身体と本能が求める通りに身をよじらせて雌の快楽を自ら得ることも認められない。
今の男に取れる行動は自由に使える口で情けなく絶頂を希求することのみで、無感情な機械よりも明らかに有意義な哀願の向け先を見付けた途端、地下室の扉が開かれ拘束と恥辱を残して去った憎んでいたはずの非道な男が戻ってきた途端、男は一瞬で屈服の事実を理解出来る程に切羽詰まった声音で救いを望み始めた。

「あぁ、うぁぁっ! もぉ、だじゅげでぇぇっ! しゃせー、射精させへぇぇっ! もぉ、ゆりゅひへ、イがぜでぇぇぇっ!!」

喉が痛むことも構わず、男は無我夢中で射精を欲する。手足を天井と壁に結合する鎖を甲高く鳴らし、その鎖の音を掻き消す絶叫を地下室に反響させながら、男は何もかもを放り投げて許しを請う。
だが、残忍な男は慈悲をもたらさない。醜悪に微笑む男は滑稽な懇願の様子を堪能しながら右の手足と壁を繋ぐ鎖の下を潜ると、目を細め口元を冷酷に歪めつつ慈悲の代わりに新たな拘束を男にもたらしてしまった。

「ひっ!? やあぁっ! やら、やっ……んみゅぅぅっ!」

怯えながら拒絶しようと試みても、憔悴させられた身体は頭部を振り乱すことも唇を硬く閉ざすこともままならず、男は尻穴を塞ぐ物よりも一回り小さい張型を噛ませて言葉を封じる枷をあっさりと取り付けられ、続いて視界を遮る黒革の目隠しをあてがわれてしまった。

「んぐっ、むぶぅぅ! ふぅ、ふぐぅぅ……っ!」

これでもう、自分は見ることもしゃべることも出来ない。何をされても縋る視線を向けることさえ叶わず、助けてを飛ばすことも禁じられた。
その情報を把握し恐怖に震える男を愉しみながら男はゆっくりとまた鎖の下を潜り、恥部を緩く嬲る機械の前に立ち、もどかしい快楽を誤魔化してくれる視覚情報を没収され大きく叫ぶことも不可能にされた男が今以上に淫猥に狂っていく光景を、手も言葉も出すこと無くじっくりと鑑賞し続けていた。






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