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青年は陥落を認めず強情に耐え忍ぶ

2021.01.17.Sun.21:00
床に固定された金具から伸びた鎖の先にある黒革の枷を巻き付けられた左足は、地下室中央の位置から離れられないよう動きを大きく制限された。天井に取り付けられた金具から鎖で吊るされた黒革の枷を装着された右足は、頭上に持ち上げさせられた状態から下ろしたくても下ろせないようにされてしまった。
足を強制的に限界まで開かせ、恥部を無防備に露出させる苦しく屈辱的な拘束。そこに更に手への拘束と口への拘束を与えられた青年はもはや、何処にも逃げられずわずかな抵抗すらも許されない。持ち上げさせられた右足を抱える形となるよう頭部の後ろへと回され、その場所で左右の手首を足の物と同じ枷と鎖で短く結合された青年はもう、施された拘束を解こうともがくことも丸出しの恥部を覆い隠すことも叶わない。固く丸めた布を詰め込まれその布を吐き出せないよう黒色の粘着テープで口に栓をくわえられた青年は、地下室に響き渡るだけの助けを欲する叫びを放つことも、舌を噛み切ってこの恥辱と危機から抜け出すことも出来ない。
ありとあらゆる行動を封じられ、無様極まりない格好で固められた青年はもはや、為す術無く弄ばれるだけの存在だ。
自分の正体をスパイだと暴いた社長の男に捕らわれ、男の邸宅の地下へと拉致された哀れな青年は、ただただ情けない痴態と悶絶を晒し男の目と耳を悦ばせるだけの存在でしかないのだ。
故に青年は今日も、男のお気に入りである苦悶の拘束姿でその身をいたぶられている。スパイとしての肉体のしなやかさを特に愉しめると言いながらじっとしていてもあらゆる関節が軋む格好で、男の思い通りに抗えぬ裸体を責め立てられている。
尋問とも拷問とも違う異常な嗜好を満足させる為の責めに苛まれている青年は、明確な終わりの存在しない地獄に翻弄されながら、男が望む己の様子を今日も次から次へと引きずり出されていた。

「んむっ、むっ、ふぶっ、むぐぅぅ……!」

声を抑えなければ。そう頭で思っても青年は閉ざされた口から漏れる呻きを抑えられない。
揺れ動こうとする身体を制さなければ。甘く掻き乱される理性でそう考えても、青年は勝手にくねる裸体をとめられない。
暴れ回る欲望に突き動かされる青年は何もかもを制御出来ぬまま、男の笑い混じりな声に自らの惨めさを指摘され、恥辱を加速させられてしまった。

「スパイ君、腰が揺れてるよ? 朝からずっと我慢させられたから、気持ち良くなりたくて仕方が無いんでしょう? 乳首も尖って、おチ○チンも硬く膨らんで先走りを流して、お尻も……ふふっ、早く入れてってヒクヒク震えてるよ? 素直になったらどうだい?」
「むーぅっ! んうぅぅ!」

苦しむ裸体の周囲を歩き回り様々な角度から味わう男の言葉に悔しさを掻き立てられながら、青年が塞がれた口で否定の唸りを上げる。
早く絶頂したい。快楽が欲しいと喚く自らの身体から目を背け、男の調教に自分が屈服させられた事実を拒むように叫びながら、青年は男に向かって鋭い視線を飛ばす。
無論、そんなことをしても男は痛くも痒くも無い。一生懸命に自身の陥落を拒絶しても、男にとってそれは愉しみが増えるだけ。両手両足と口を封じられた格好で反抗を示されても、男にとってそれは興奮と責めの材料でしか無い。

「おやおや、分かってたけど素直じゃないね。スパイ君の身体はもう、快楽無しじゃ生きられなくなってるっていうのに……ねっ」
「むぎゅぅっ!? ふむぅぅっ!」

開かされた足の前にしゃがみ込んでいた男が、恥部に不意打ちを加える。異物を拒む術を忘れる程に連日解された尻穴を左の人差し指と中指でほじくられ、勃起していた男根を右手で緩く扱かれ始めた青年は驚きの鳴き声を発しつつもあっという間に快楽に溺れていき、ついさっき自分が否定を表わしたことも思い出せずに悦び色の悲鳴を上げて絶頂へと上り詰めていく。

「んー! むぅぅぅーんっ!」
「あぁ、もうイきそうだね。朝からずっと焦らされてた身体をイかせてもらえそうだね。嬉しいかい、スパイ君?」
「ふぅっ、ぶむぅぅんっ!」

問いかけに対する虚勢も紡げず、正直に唸りで嬉しいと答える。そんな青年スパイの尻穴を掻き回し、男根を摩擦しながら残酷に微笑んだ男は、逆らえない裸体の痙攣が一際激しくなり絶頂が目前となった瞬間を狙い撃って、注いだ時と同様に突然指を引き抜き男根を離し、青年をまた快楽の中に放り出してしまった。

「うぐぅぅっ!? もっ、おぉぉ!」

困惑と絶望に染まった声で鳴き叫びながら、青年がとどめの快楽をねだって縛められた裸体をめちゃくちゃに踊らせる。
そうして滑稽に踊る青年を立ち上がりつつ眺めていた残酷な男は、寸止めされた苦しみが和らぎほんの少し落ち着いた青年に対して愉悦を露わにした微笑みを見せながら、冷たく囁いた。

「残念、イかせてもらえなかったね。素直になってればイかせてもらえたのに、スパイ君が強情だからまたイかせてもらえなかったね……可哀想に」
「んぐっ、むおぉ……っ!」

結局どんなに耐え忍んでも、最後は男が求める通りに絶頂をねだらされる。我慢に我慢を重ねても、自分は心が折れるまで継続される鬼畜なお預けに屈する以外の道など選べはしない。
それを改めて思い知らされつつも尚淫欲を遠ざけ続ける青年スパイの苦悶を眺める男は、とっくに地に落ちているプライドを守り続けるその姿に向ける笑みの黒さを、青年の陥落が進むにつれて際限無く濃く深めていくのだった。






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