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残忍な右手は至福の直前で毛布をつまみ上げる

2020.12.22.Tue.21:00
左右の手首と二の腕を縄できつく括られ、胴体へと遊び無く括り付けられた男の腕は背中で伸ばしたままの状態を強いられた上に、暴れさせることも出来なくさせられている。足首同士と太もも同士を縄で一つにまとめられ、左右をぴったりと密着させられた男の足はわずかに離すことも叶わず、歩いての移動も不可能な状況へと追いやられている。
すでに、男の裸体は手も足も出せない拘束を加えられてしまった。だが、男への拘束はそれだけでは終わらなかった。
男は手足を縛める縄に後から新たな縄を結ばれ、その縄達をベッドの脚や柵へと繋がれ、仰向けの状態から抜け出せずベッドから離れることも出来ないよう厳重に裸体の動きを削り落とされてしまったのだ。
まるで蜘蛛の巣のようにベッドの上へと張り巡らされた縄によって自由を奪い取られた男はもはや、寝返りすらも打てない。当然、そんな姿に変えられた男は口を閉ざし言葉を封じるために貼り付けられた黒色のガムテープも、左右の乳首に固定された薄桃色のローターも、男根に巻き付けられた二本のベルト型をしたローターも、裸体全体を覆う形で被せられた毛布も振り払えない。
過剰なまでの縄に身動きを大きく制限され、言葉を発することを禁じられ、毛布で視界を遮られた男はもう、自由のみならずあらゆる情報を没収された状態で恥部に固定された淫具達に弄ばれるしか無い。
決して、絶頂には辿り着けない。そんな微弱な振動を繰り返して射精欲を掻き立て、絶頂にどうやっても至れないもどかしさで狂わせてくる残酷な淫具達に、様々な行動の選択肢を容赦無く叩き潰された哀れな男は為す術無く嬲られることしか出来はしないのだ。

「んー! んむっ、むうぅ! んむぅぅぅぅんっ!!」

テープと毛布越しに切なげな悲鳴を発しながら、男は出口の無い快楽に翻弄され続けている。尖りきった乳首を緩く震わせるローターに追い詰められ、男根の根元と亀頭のすぐ下を軽く締め付けて弱い振動を行うベルト型のローターに心と身体を掻き乱す甘いもどかしさを味わわされながら、理性を失った男は誇りを捨て縄に縛り上げられた裸体を必死に動かして腰を振り、自分をこの苦悶に追いやった男が戻ってきていることにも気付かずに柔らかな毛布を使って男根に追加の刺激を、やはり射精には至れないもどかしさを和らげるだけの快楽を送り込み続けている。

「んぐっ、むぅ、んむっ、ふぶぅぅっ!」

その、無様極まりない悶絶姿を眺めながら、非道な男が愉しげに微笑む。耳に心地良い切羽詰まった悲鳴と、毛布を押し上げ毛布を用いてほんの少しの悦楽を得ている情けない男根を堪能しながら音を立てずにベッドへと歩み寄った男は、一際残忍な表情を浮かべながら右手を動かし、その右手を毛布越しに男根へと被せてやった。

「んふっ!? むぅぅぅんっ!?」

急に強まった男根への刺激に男が驚き、困惑の絶叫を放つ。しかし、その絶叫はすぐに増えた快楽を嬉しがる悦びの鳴き声に変わり、男は一層激しく腰を前後に揺らして己を絶頂へと、待ち望んだ射精へと上り詰めさせ始めた。

「んっ、んぐっ、むぅ、んむぅぅ!」

ベッドを軋ませ、縄を鳴らしながら、男はじわじわと射精に迫っていく。今の自分がどれだけみっともないかなどと顧みる余裕も失った男は、溜まりに溜まった欲望の解放のみを考えて縛られた裸体で腰を振り、精液の放出へと近付いていく。
もちろん、残忍な男はそうやすやすと射精などさせてはやらない。残忍な男は射精をさせてやる慈悲を示すかのように毛布越しに男根へと被せた右手を巧みに動かして快楽の上乗せを行い、男が欲しがる至福の瞬間の訪れを嬉々として見極めた上で右手の動きを突然に変え、毛布を摘まんで持ち上げることで男に射精寸前でのおあずけを強制してしまったのだ。

「むぐぅぅぅんっ!? んー! んっ、うぅぅぅんっ!!」

あと少しで、射精出来る。眼前に見えていた悦びを遠ざけられた絶望に打ちひしがれながら痛々しい絶叫を放ち、半狂乱になって腰を振り離れた毛布を求めて男根を暗闇で揺らす滑稽な男を堪能する男は、毛布をつまみ上げた右手をからかうように揺らしながら、心の底から射精をねだる男の悶絶に期待を寄せつつ、再度毛布を下ろすタイミングを、次の寸止めを与え始めるタイミングを悪魔のような冷酷な笑みを浮かべて見計らっていた。






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