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白犬は冷え切った小屋で淫らに鳴き喚く

2020.12.04.Fri.21:00
屋根があっても、窓が閉め切られていても、冷たく強い真冬の潮風に晒され明かりが落とされ暖房器具が一切設置されていない海辺の古びた小屋の中は凍える程に寒い。だが、今の男の身体はその寒さが気にならないくらいに火照り、暑いと感じる程の熱気に覆われている。
その熱は、全身を包み込み視覚を遮った上で手首と足首の部分に仕込まれた金属の錠をベッドの上下の柵へと繋ぎ、仰向けに寝転んだ男の肉体をX字に引き延ばした状態で固定している拘束具を兼ねた白犬の着ぐるみによる物。正確には、その着ぐるみに内蔵された甘く淫らな責め具による物だ。
左右の乳首と、男根。それらの位置にあてがわれた薄い機械が生み出す振動に嬲られ、望まぬ快楽に責め立てられている哀れな男の肉体は奥底から湧き上がる寒さを掻き消す程の淫猥な熱気に狂わされながら、一人きりの小屋の中で何度も何度も絶頂を強いられ続けていた。

「んぁぁぁーっ! あひっ、はひぃぃぃっ!! やら、りゃめ、イぐぅぅ! まら、イくっ……イっちゃぅぅぅぅっ!!」

あどけない表情を見せる犬のマスクを被せられた頭部を痛々しく振り乱し、厚い布越しに淫らに歪んだ絶叫を小屋の中へと響かせながら、男がもう何十回目かも分からない絶頂と射精に悶え苦しむ。着ぐるみの中ではしたなく尖りきった左右の乳首を小刻みに跳ねさせ、硬く勃起したまま萎える暇も与えられない男根を苦しげに脈打たせながら、男が乳首と男根を容赦無くいたぶる機械の振動から逃れようと考え、ベッドの柵へと遊び無く結合された手足をじたばたともがかせる。
だが、状況は何も変わらない。残忍に駆動を続ける機械はとっくに限界を超えている男に更なる絶頂と射精を淡々と要求し、男をより悲痛な苦悶へと追い詰めていく。手足を幾ら暴れさせてみても拘束は外れず、男は淫猥な地獄からの脱出はもちろん、視界を奪い内部に溜め込んだ淫臭と淫蕩な熱で快楽に翻弄されている自分に追い打ちを仕掛けてくる着ぐるみからの脱出も叶わない。
男はもう、機械が作り出す振動による悦楽に、為す術無く狂わされるしか無い。今の男はもう味方はおろか、拘束と恥辱を両立する着ぐるみを与え放置した存在さえもいない自分のみの空間で、無感情な機械に苛まれながらのみっともない絶頂を迎え続けることしか出来はしないのだ。

「あぁっ、いやら、やらぁぁぁんっ! もう、やめへ、イげない! もうイけにゃい! せーえぎぃっ、れにゃいのぉぉぉっ!!」

もはや吐き出す精液は一滴も残されてはいない。その事実を着ぐるみの中で涙を零しながら訴えても、機械達はとまってくれない。
吐精を伴わない絶頂に喘ぎ、喉が破れんばかりに助けを求めても、機械達は次の不完全な絶頂に男を追いやっていくのみで慈悲は欠片も見せてはくれない。男は着ぐるみに閉じ込められた裸体を痙攣させ絶叫を放ちながら、どうすることも出来ずにただただイき続けさせられるしか無い。

「あぁっ、んぁぁぁっ!! だ、じゅげで! だれかっ、た、ひゅけ、ひぇ! だっ……じゅげでぇぇぇぇーっ!!」

一際甲高い声で鳴き叫びながら、男が大きな絶頂に至った。拘束された着ぐるみ入りの裸体がベッドの上で背骨が折れそうなくらいに仰け反り、何も吐き出せない男根の跳ねに合わせて腰をガクガクと前後に揺らめかせる。
そんな無様極まりない絶頂の波が消え、ふっと脱力してベッドに肉体を落下させた男は、その落下の衝撃であることに気が付いた。乳首と男根を弄んでいた機械が駆動を停止していたのだ。

「はっ、ひ、んあぁ……っ」

乱れきった呼吸を整え、絶頂の余韻に震えている肉体を鎮めさせながら、男がぼんやりと機械の駆動について自分を置き去りにした存在から伝えられていたことを思い出す。この機械は自動で駆動を制御し、一度動き始めたら男が何度絶頂しようとも一時間が経つまでとまらないと言っていたことを。そして、駆動を停止してから一時間後にまた駆動を始め、再び一時間の絶頂を強制すると言っていたことを思い出す。
理性を取り戻した頭で伝えられていた駆動と停止の条件に関する記憶を蘇らせた男は、苦悶の終了に対して抱いていた安堵を絶望に塗り潰されながら着ぐるみの中で表情を恐怖に強ばらせ、まだ息が乱れていることも忘れて先程までとは違う色を持つ哀願の叫びを周囲に向かって放ち始めた。

「い、いや、いやらぁぁぁっ!! た、しゅけへ……お願い、誰か……このままじゃ、また、イかされる……っ!!」

一時間後に訪れる再度の絶頂地獄。それを拒絶し手足の拘束と格闘しながら白犬に変えられたふかふかの身体をよじらせる男は、今自分を包み込んでいる甘い熱を跡形も無く冷え切った小屋内の空気に削り落とされ寒さに凍える身体に熱を生み出す淫具の駆動をねだっている己の情けない姿を知る由も無いまま、淫猥に火照った肉体をめちゃくちゃに動かし快楽を遠ざけたい一心で救いを欲する声を発し続けていた。






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