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男は地獄を上乗せしながら鳴き声を堪能する

2020.09.24.Thu.21:00
上等なスーツに身を包んだ男が一人きりの社長室で机の引き出しを開け、絢爛な装飾が施された小箱とヘッドフォンを取り出す。
手にしたそれらを残忍な笑みを浮かべながら机の上に置いた男は、笑みを更に深めつつヘッドフォンを装着し、右手の指で摘まんだプラグを、小箱の下部に存在しているジャックへと差し込んだ。
途端、男の耳に小箱から発せられる音が流れ出す。それは、無慈悲な男を悦ばせる最高の音楽だ。

『はぁ、んあぁぁっ! だ、れが……だじゅ、げで……ここから、だじで! おひり、ほじほじしでぇぇぇっ!!』

ヘッドフォンを通して男の耳に流れたのは、恐怖と絶望に染まった懇願の絶叫だ。その絶叫を愉しみ、目を細めながら男は小箱に力を加え、蓋を取り外した。そうして蓋を外された箱が持ち主である男に見せたのは、苦しげに震える哀れな青年の尻穴で。尻穴をヒクつかせている青年は無理矢理に強いられた熱で火照った穴を撫でるひんやりとした外気で蓋が外されたことを把握し、一際甲高い声で許しを求める言葉を放った。

『あぁっ、だずげでぇぇっ! おひり、ぐるじいのぉぉっ! うずうずして、おがじぐなるぅっ! ほじって、奥までかきまわじでぇぇっ!!』

特殊な技術で青年の裸体を小箱に閉じ込める際に、内部と外部で音を完全に遮断する機構を教えたもののイヤホンジャックの機構は説明していなかった。故に、なりふり構わぬ哀願は本来誰にも聞こえていない。聞こえていないことを承知で慈悲をねだり、一生懸命に穴をもこもこと蠢かせる惨めその物な青年を堪能し醜悪な表情を浮かべた残酷な男は、何も見えず、聞こえず、箱の機構で眠ることも壊れることも許されない姿となった青年に向かって、何の躊躇いも無く更なる地獄を宣言した。

「駄目だよ、スパイ君。お尻ほじほじは夜までお預けだ。今は夜のほじほじをもっともっと愉しめるように追加の媚薬を塗って、時間が許すまでたっぷりと焦らしてあげるからね……」

もちろん、その冷酷な囁きは小箱に詰め込まれた青年には欠片も聞こえていない。潜入任務の最中に罠に嵌まって捕らわれ、忍び込んだ会社の社長である男の玩具として肉体を改造された青年スパイは当然、自身が詰め込まれた箱の脇に並べられていく自分がいた場所とは別の引き出しから取り出された液体媚薬の瓶と先の細い毛筆にも気付けない。

『おにぇがい! おねがい、じまじゅぅぅぅっ! おひり、変になりゅぅぅっ! ほじっで、ひっがいでぇっ! ぐちゅぐちゅかきまわじでよぉぉぉっ!!』

誇りと尊厳を捨てて紡がれる淫らな望みを、全て却下しより苛烈な苦悶へと叩き堕とす。その事実に興奮を募らせ、生きた人間を思い通りに支配する他では決して得られぬ高揚に背筋を震わせた男は、右手に取った毛筆に粘つく媚薬を含ませると、逃げ場の無い穴に狙いを定めて媚薬筆を付着させ、収縮するはしたない穴をぐにぐにと刺激しつつ新たな媚薬を丹念に塗り込み始めた。

『あぁぁぁんっ!? きら、ぎだぁぁっ! おひり、ぎもぢぃぃっ! ありがとう、ごじゃいますっ! ありらとうごじゃいまひゅぅぅぅっ!!』

穴にもたらされた筆の刺激に、青年スパイが悦びの悲鳴を上げる。疼きに疼いていた穴を襲う甘い快楽に幸福を抱いた青年は、この責めが疼きの上乗せを狙った準備だと知らぬまま、情けなく嬉しさに満ちた感謝を叫んでいる。
一体いつ、このありがとうがやめてに変わるのか。後何分したら絶対に深い場所には潜り込んでこない筆と増幅した尻穴の疼きを青年が理解し、より悲痛で滑稽な声で鳴き喚き始めるのか。それに期待しながら男はこまめに媚薬を足しつつ、筆に敏感な反応を示す恥ずかしい穴と耳に心地良い青年スパイの鳴き声を口角を吊り上げて黒く微笑みながら、社長室を離れなければならない時刻が訪れるまで堪能し続けていた。






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