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残酷な男は悶絶を眺めつつ満足げに頷く

2020.09.21.Mon.21:00
何も見えず、何も喋れない。腕は自らの胴体を抱き締めているような状態で固定されたまま動かせず、足は窮屈に折り畳まされ足の裏を密着させたような形を無理矢理に強いられている。
そんな格好で目を覚ました二人の男は、仰向けに転がされた肉体を柔らかなマットの上でじたばたともがかせ、隣にいる仲間のくぐもった呻きを聞きながら自由を取り戻そうと必死で足掻いた。しかし、幾ら頑張っても二人を閉じ込めた黒革の拘束服は耳障りな軋む音を立てるのみでビクともせず、男達は唯一黒革に覆われていない鼻からプスプスと情けない音を発しながら無意味な試みで体力を消耗していき、とうとう無駄な努力さえも行えない憔悴しきった状況に陥ってしまった。

「んぅ……んふっ、ぐぅぅ……っ」
「むぅ、んむ、うぅぅ……」

手足の動きを制限され、黒に包み込まれた肉体をマットの上でぐったりと脱力させつつ、男達は言葉にならない絶望色の唸りを漏らす。自力ではどうやっても抜け出せない、この身体では仲間と協力して脱出を目指すことすらも出来ない、その事実に打ちひしがれながら恐怖を募らせ、男達は疲れ切った肉体を拘束服の中で小刻みに震わせている。
そんな無様な男達を何も言わずに目と耳で味わい愉悦の感情を湧き上がらせていた男は、滑稽な身悶えを行わなくなりすっかり大人しくなった二人を眺めつつソファーから立ち上がると、惨めに並んで転がっている二人へと音も立てずに歩み寄った。
拘束からの解放という慈悲を与えるためでは無い。非道な男は暴れる力も失った二人にそれまで使わずにいた拘束服の機構を用いた残酷な責めを加え、先程堪能していた滑稽な身悶えよりも更に滑稽な悶絶姿を愉しむために男達との距離を詰めたのだ。
もちろん、黒革に視界を閉ざされた男達は自分達に近寄った男に全く気付けない。これから始まる最高の痴態に期待して悪魔のように微笑む男の手が閉じることを禁じられた足の間に、股間部分に迫っていることにも気付けない。
故に、黒革の上から触れる手に男達が驚き、二人が誰かの接近を把握した時にはもうすでに手遅れで、拘束服の表面に存在する小さなダイヤルを手早く回した男の手によって作動させられた無慈悲な機構は抗う術も逃げ場も無い男達を容赦無く嬲り意に染まぬ強烈な悦楽で責め立て、残忍な男の前で二人をよがり狂わせ始めた。

「むぐぅぅぅっ!? んもっ、むぅ、んぎゅぅぅぅっ!!」
「ふぅぅぅんっ!? んー! うぅ、あぶっ、ぶふぅぅぅぅっ!!」

革に締め付けられた口で甘く歪んだ悲鳴を上げ許しを請うても、無感情な機構はとまってくれない。体力を大きく失った肉体を酷使し苦悶を遠ざけようと無我夢中で身をよじらせても、男根全体に振動を注いで快楽を感じさせる機構を拒む方法は見付けられない。
誇りをかなぐり捨て、自分達を辱めている張本人である男根を淫らにいたぶる機構を作動させた男に向かって哀願の意思を乗せた絶叫を飛ばしてみても、作動させた直後にソファーに戻り再び悠然とした鑑賞の体勢を取った男は耳に心地良い哀願を聞いて笑みを濃くするのみで助けの手など差し伸べてはくれない。
一切の救いを否定された男達はもはや、自分を捕獲した男の思い通りに悶え苦しめられ、絶頂を迎えさせられるしか無い。黒革に閉じ込められた裸体を汗で濡らし、自分を閉じ込める黒革の内側に精液を撒き散らしながら、男根を萎えさせることも叶わない射精地獄へと追い詰められるしか無いのだ。

「うぎゅぅぅぅっ! あぶっ、ぶあぁぁっ! うぅぅぅーっ!!」
「んー! んっ、んふぅぅ! むぐぅぅ! ふびゅぅぅぅぅっ!!」

快楽を極めた男根を間髪入れずに次の快楽の極みへと押し上げられる苦しみに身を跳ねさせ、断続的に訪れる絶頂に心の底から怯えを抱いて甲高い悲鳴を放ちながら為す術無く射精に至り続ける男達を作り出した男は、自分の手に堕とした二人の男が晒す痴態に満足げな表情を浮かべながら、己の内側を満たす興奮と優越感を確かめるかのように悶絶する二人を眺めつつ小さく二回、頭部を縦に動かし頷いていた。






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