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一方的な悦楽は乾いた生をわずかに潤す

2020.08.16.Sun.21:00
男はその日も、抑えきれぬ発情を味わいながら目を覚ました。
寝起きの視線を下に向けると、逞しい男根は限界まで張り詰め、いつものように射精をねだってじくじくと疼いていた。その疼きがもたらす淫らな苦悶に喘ぎながら、男はいつものように身をよじらせ快楽を欲しがって無駄な足掻きを試みる。首から下を窮屈な黒色のラバースーツへと閉じ込められ、そのラバースーツの金具達から伸びた鎖を仰向けに寝かされたベッドの柵や脚へと繋がれた裸体をどんなに動かしても男根には触れられず、喉近くまで届く張型で言葉と舌噛みを封じた上で鼻に媚薬混じりの気体を嗅がせるマスクも毟り取れず、自由は決して取り戻せはしないと理解しつつも、男は惰性で身悶え拘束と淫欲から逃れようとする。

「んぅ……んむ、むぐぅっ」

力無く呻きながら、男が一人きりの部屋で拘束を鳴らす。腹部に重ねられた状態から離れられないようベルトで肘から先を括られた腕に力を込め、左右を一つに繋がれた足を揺らし、射精したいと喚き散らしている男根を情けなく跳ねさせながら、男が無意味に脱出を試みる。
そんな男の耳に、扉の音が聞こえた。今日もか、と諦めながら顔を向けると男の予想通り、扉を開けて室内へと入ってきたのは白衣を纏った数人の男で。その男はベッドに縛り付けられた男を取り囲むと、ラバースーツと鎖に不備が無いことを確認しながら嗅がされた媚薬の影響で勃起させられた男根に小さな機械を取り付けた。
それは、楕円形をしたブローチのような機械。白衣の男達が開発した、生物の肌に自動で吸い付き起動すると同時に微弱な振動を行う淫らな機械だ。
今日も、この機械で嬲られる。この機械で絶頂を許されぬまま淫らに悶え苦しめられ、その悶絶の様子を男達の研究データとして採取される。
その事実に屈辱も絶望もせず、他人事のように呆けている男を淡々と観察しながら、白衣の男達は脇に抱えていたバインダーを構えると同時に機械を駆動させ始めた。失神するまで叩き込まれる、もどかしい快楽による淫獄の始まりだ。

「んぅ、んむっ、ふぐぅ……っ」

気持ち良い。抑えきれぬその感覚に声を漏らし、抵抗と逃走を禁じられた肉体をくねらせる男は自分を見つめつつペンを走らせる白衣の男達を潤み出した瞳で見つめ返しながら、無味乾燥に満たされていた終わりなき生を彩る淫らな実験材料の日々をわずかに愉しんでいた。
白衣の男達は目の前の男が愉しみを抱いていることなど全く気付かぬままペンを動かし『被検体 吸血鬼一号』と記された紙に目にした情報を淡々と書き込み続けていた。






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