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男は痒みから逃れるために頭部を振り乱す

2020.07.25.Sat.21:00
左右の手首同士を短い鎖で繋ぐ黒革製の枷を嵌められ、その枷と地下室の天井から吊るされた鎖を南京錠で結合された男はもう、容赦の無い責め苦に心と身体をすり減らされ反抗の態度すら見せられない程に憔悴させられている。
自由を奪う手枷と鎖を振り解こうともがいていた数時間前の面影はどこにも無い。どこにも逃れられない自分の裸体を観察する男を隙あらば蹴り付けようと構えていた足はもはや床に敷かれたマットの上で苦しげに震えるのみで、視界を閉ざす黒革の目隠しと言葉を封じる黒い棒状の口枷を振り払おうと試みる動きはおろか、目隠しごしに睨み口枷ごしに怒りの叫びを放つことさえも男は出来ない。
男は完全に責めに屈し、惨めな姿を晒している。ほんのわずかな抗いさえ叶わずに、ただただ疲弊と苦悶に苛まれる裸体を情けなく震わせている。
しかし、男を拉致し弄んでいる無慈悲な男は、哀れな痴態を見せる男に更なる苦悶を注いでいく。男は滑稽に身悶える汗塗れの裸体が枷の鎖を鳴らしながらくねる様を存分に愉しみながら、守る物の無い男の尻穴へと非道な薬品を流し込んでいく。
それは、痒みを作り出す残酷極まりない薬品。触れた箇所に気が狂う程の痒みをもたらし、塗り付けられた者を悶絶させる薬品だ。
そんな物を送り込まれた男の腸内は、奥深くから入り口までをまんべんなく絶え間無いむず痒さに襲われている。じっとしていることさえも出来ないくらいの痒みに、男は体内を嬲り倒されている。可能であれば、男は自分を捕らえた男が見ていることも忘れて尻穴に指をねじ込み、痒みの解消を求めて腸壁を掻き毟っていただろう。だが、手を拘束された今の男は、むずむずと苦しんでいる尻穴に触ることさえ出来ない。その上、立ったままの体勢を強いられた男は床や壁に尻を擦り付けて痒みを紛らわすことさえ許されない。
痒みから逃れる術を奪われ、痒みを誤魔化す手段さえ取り上げられた男は、穴を責め立てる痒みに狂わされるしか無い。近くで無様な悶絶を鑑賞している男に塞がれた口で誇りを捨てた哀願を放ち、その哀願を聞き流した男の手で注射器によく似た器具を用いて追加の痒み薬を時折注入されながら、男の思い通りに壊れるしか無いのだ。

「あぉっ、んもぉぉっ! む、がふっ、ぶむぁぁっ!」

どんなに助けてを叫んでも、救いの手は差し伸べられない。なりふり構わずに許しを欲して鳴き喚いても、残酷な男は応えてくれない。
一体いつまで、この地獄に苛まれるのだろうか。自分が発狂するまで、この状態で弄ばれ続けるのだろうか。恐怖を募らせながらそんなことを考えていた男の尻穴に、また異物が押し込まれ始める。また、痒みを増幅させられてしまう。男は戦慄し、無駄だと嫌というくらいに思い知らされたはずの懇願を再び放った。

「みゅぅぅっ!? んー! んぐぅぅぅっ!!」

異物を拒絶し、男は必死に救いを求めて絶叫を発する。けれど、その絶叫の色はすぐに違う物へと変化した。尻穴に潜り込んできた異物が、痒み薬を撒き散らしてきた器具とは全く別の形状をした器具だったからだ。
それまでは穴の浅いところまでしか侵入してこなかった器具と違い、新たにねじ込まれた器具は男の腸内の最奥までを満たしてとまった。

「ふまっ、むぅぅんっ……んふ、むふぅんっ……」

ずっとずっと刺激されたかった痒みに侵されていた箇所全てに触れる器具に、男は悦びの吐息を漏らす。腸壁全体を掻き毟るイボ付きの器具を嬉しそうに絞り上げながら、器具が生み出す刺激で体積を増し始めた男根を揺らしつつ男は裸体をくねくねと踊らせる。
その卑猥なダンスを味わい男の陥落を改めて確認した男は、釣り針に近い形状を持つ器具の尻穴に埋まっていない側の端に結んでおいた縄に力を加え男の口を閉ざす枷を頭部へと固定しているベルトの金具へと遊び無く結合し、男の尻穴と頭部をきつく繋いでしまった。
頭を無理矢理に反らされて、苦しい。男の首には負担が掛かり、骨はミシミシと軋んでいる。
けれど、男はそんな苦痛など気にもならない程の幸福を抱いていた。この状況ならば、頭部を揺らせば尻穴を刺激出来る。痒みを誤魔化せる。痒みに蝕まれた思考でそれを至上の悦びと誤認しながら、男は自分を辱める男の前で頭部を左右に振り乱し、自らの尻穴を器具でめちゃくちゃに掻き回し始めた。これ以上無く蕩けきった甘い声で喘ぎ鳴きながらだ。

「んぅんっ! ふぅ、ふむぅんっ! むぐ、ぶふぅっ、ふぐ、あむっ、むぉぉぉっ!!」

裸体に与えられた拘束からの脱出では無く、尻穴を苦しめ続けた痒みからの脱出を欲し頭部を一生懸命に振って己の尻穴をいたぶる男の愉快な光景に目を細めて残忍に笑う男は、異常な自慰に耽りながら壊れていく男の一部始終をじっくりと鑑賞しつつ、じわじわと崩壊の色を濃くしていく男の鳴き声と身悶えの変化を愉しんでいた。






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