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捜査員は悪に囲まれながら呼吸の幸せを噛み締める

2020.07.22.Wed.21:00
知らぬ間に、自らが潜入捜査員であることを暴かれていた。その事実に気付かぬまま捜査員は上司となった犯罪組織の男達の案内を受けて地下へと足を運び、用具室と説明されていたその部屋で待ち構えていた男達と背後を歩いていた男達による前後からの挟撃を受け、その身に無様な変化をもたらされていた。

「やめっ……離せ! 返せぇぇっ!!」

焦りと恐怖に歪んだ声で叫びながら全力を込めて暴れても、十数人達一人の状況では捜査員に勝ち目など無い。左右の腕と足を数人がかりで抑え込まれた捜査員は纏っていた衣服を所持していた道具と共に奪い取っていく手の動きをとめられず、あっという間に何一つとして身に着けていない屈辱的な丸腰の状態へと変えられてしまった。その惨めな裸体を部屋に置かれていたテーブルの上へと仰向けに転がされ、無理矢理に密着させられた右腕と右足、そして左腕と左足を黒色のガムテープでぐるぐる巻きに縛り上げられても数の暴力で抗いを無にされている捜査員は為す術無く腕と足を緩み無く結合され、更に動きを大きく制限された手足をテーブルの天板へとテープできつく括り付けられてしまった。

「ぐぅ、くっ……っ、うぅっ!」

文字通り手も足も出せない。それどころか、丸出しの男根と尻穴に突き刺さる男達の視線から恥部を守ることも叶わない。そんな状況に捜査員を追いやった男達は、無意味な足掻きを繰り返しテープを耳障りに軋ませている様子に醜悪な笑みを浮かべながら、捜査員に追加の拘束を加え始める。それは、口への拘束。誤って舌を噛む事故が発生する可能性を潰しつつ、捜査員から言葉さえも取り上げる追い打ちの拘束だ。

「はい、捜査員さん。口開けて」
「っう!? んぅ、むぅぅっ!!」

男の一人がポケットから取り出し硬く丸めた白布を、捜査員の口へと押し付ける。すぐに男の意図を察した捜査員は、さらりと自分の正体が男の口から告げられたことに対する驚愕さえ抱けずに、怯えに満ちた唸りを上げながら口を引き結んで布の侵入を遮る。
その予想通りの抵抗を見せる惨めな捜査員に、男達は笑みの黒さをまた深めた。その黒い笑みを更に引き上げながら、一人の男が予定通りに捜査員の顔に手を伸ばし、怯えに濡れた瞳の前で鼻を強く摘まんだ。男は口を引き結んでいる捜査員の唯一の呼吸孔である鼻を塞ぎ、息が出来ない状態を生み出してしまったのだ。

「んっ、っぐ!? むぅ、ぶぐ……!!」

顔を振ってみても、鼻を摘まむ指は外れず、口へと押し当てられる白布も振り払えない。息苦しさに悶えながらくぐもった声で呻いても、男達は苦しむ自分を愉しむ表情を浮かべるのみで誰も助けてはくれない。
このまま、失神するまで窒息を強いられるか。口を開いて呼吸を行うと共に、布で口を塞がれるか。二択のどちらも選べず、捜査員は目を見開きながら呼吸を堪えていた。テーブルに繋がれた裸体を痙攣させ無防備な男根を跳ね回らせて男達の目を悦ばせながら、捜査員は明確な理由を見つける余裕も無いまま意味の無い我慢に我慢を重ねていた。
そしてとうとう、その時が訪れる。朦朧とする意識の中で抱いていた口を開きたくないという漠然とした思いが酸素を欲する肉体の本能に負け、捜査員の口が開かれる。それを待っていた男達は、開いた口が酸素を取り込むのを阻害して布を押し込み、押し込んだ布を吐き出せないようにと手足を縛った物と同じテープで口に栓を施し始めた。鼻を摘まむ指を外さずに、だ。

「ぷぁっ、は、むぅぅっ!? うぐ、ぶぅ! んんぅぅぅぅっ!!」

呼吸をしたい。そう求める身体が口を開かせたのに、その口は一瞬で布とテープに塞がれ捜査員は呼吸のみならずしゃべることも出来なくなってしまった。二枚三枚とテープを重ね口を丹念に閉ざしていく男達の手と、鼻を摘まみ続ける残酷な指を潤んだ目で眺めながら、捜査員は救いを求めて言葉にならない絶叫を放つ。そんな滑稽極まりない悶絶を存分に堪能しながら捜査員の口をしっかりと封じた男達は口から手を離しつつ用が済んだテープを片付け始め、鼻を摘まんでいた男は名残惜しげに鼻から指を遠ざけ、捜査員に呼吸を許してやった。

「んふぅーっ! んっ、ふっ、むふっ、ふうぅ……っ!」

プスプスと音を立てながら鼻で呼吸し、捜査員は自分を嬲っていた息苦しさを解消する。男達がテーブルの上の自分を取り囲み、さっきまでの物よりも残酷な顔を向けていることも認識出来ぬまま、捜査員は嬉しそうに呼吸を繰り返している。
呼吸に幸福を募らせる惨め極まりない捜査員。その滑稽な姿を味わいながら、男達は捕らえた捜査員に無慈悲な宣告を口々に放っていく。

「苦しかったねぇ。でも、そんなのまだ序の口だよ。これからもっともっと苦しくなるからねぇ?」
「今から捜査員さんをたっぷりいたぶって、気持ち良くイかせまくりながら酸欠に追い込んでやるよ。快楽と息苦しさで心と身体を壊してやるからな」
「強力なお薬も色々使って、立派な淫乱に育ててあげるよ。商品の気持ちも体験できるなんて、最高の潜入捜査だね。嬉しいかい、捜査員さん?」
「むふっ、うふっ、むふぅぅ……」

今から、本当の地獄が始まる。直前に味わった呼吸を閉ざされる苦しみなど比べ物にならない、息苦しさと淫らな苦しみが一体となった責めを注ぎ込まれる。
そんな非道な計画を聞かされていることも分からない捜査員は、拘束のためのテープをしまう代わりにあらゆる淫らな責め具を手に取った犯罪組織の男達に囲まれた状態で縛られた裸体をよじらせながら、呼吸がもたらす幸せをただただ噛み締めていた。






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