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男は淫らな至福を残酷に取り上げて愉しむ

2020.04.22.Wed.21:00
鼻以外を覆い尽くす形で顔面へと貼り付けられた赤いガムテープは、男の視界と言葉を塞ぎ見ることとしゃべることを禁じている。そのガムテープを剥がしたくても、今の男の手は自らの顔に近付くことさえ叶わない。胴体と二の腕を縄で繋がれ、その縄と背中で重ねさせられた手首を縛る縄を遊び無く結合された男の腕は自由を大きく奪われ、思い通りの行動を何一つとして取れないのだ。
せめて足が使えたなら、何かしらの希望があっただろう。執拗に顔を壁や床に擦り付けられれば、目と口を制限するテープから逃れられる可能性があっただろう。しかし、男を捕らえた存在はそんなかすかな希望すらも潰してしまった。無慈悲な存在は抵抗すらままならない男の懇願を無視して左右の足首と太ももを括る縄を施し、四本の脚を金具で床へと固定された背もたれの無い小さな椅子へと乗せた上でその椅子の座面に男の足首から膝までを厳重に縄でぐるぐる巻きに縛り付けてしまったのだ。
男はもう、芋虫のように床を這っての移動すら出来ない。執拗に貼り付けられたテープの下で顔を歪ませ言葉にならない声を上げながら、椅子に繋がれた裸体をくねらせるしかない。
手も足も出せず、許しを請う視線も誇りを捨てた哀願も放てない無様な状況。そんな状況に男を追いやった存在は、抵抗を一切示せないまま滑稽にもがく裸体に無慈悲な責めを加えた。それは、あらゆる選択肢を没収された惨めな姿を笑い飛ばしながらの快楽責め。言葉で男の心を抉りながら、望まぬ悦びで更に心を抉る残酷な辱めだ。
非情な言葉に耳を覆いたくても、縛られた手は耳を覆えない。無防備にさらけ出された男根を握り込まれにちゅにちゅと音を立てて扱かれても、逃れられない裸体はくぐもった悲鳴を上げながら身悶えるしかない。
哀れな男は、憎んでいた存在の手で為す術無く一方的に辱められながら情けない痴態を引きずり出される以外、何も出来はしないのだ。

「またビクビク震えてきたねぇ、捜査員さん。あー、今にもイきそうだね。自分を拉致した犯罪組織の幹部にチ○コ扱かれて、イかされちゃいそうだねぇ……捜査員さん?」
「ふ、っぐ! ん……んもっ……!」

唯一の呼吸孔である鼻から乱れた鼻息を漏らし、閉ざされた口から苦悶に満ちた呻きを零し、憎い組織の幹部の左手に上半身を支えられた状態で汗に塗れた裸体を痛々しく痙攣させながら、捕らわれの捜査員は男根を嬲る右手に屈して絶頂へと上り詰めていく。
だが、残酷な男は、屈辱に満ちた絶頂すら簡単には迎えさせてはやらない。男は捜査員の身悶えが一段と激しくなり、握り込んだ男根の脈動が切羽詰まったのを確認すると、表情を黒い笑みに染めながら右手を大きく動かし過敏な亀頭を擦りながら男根から手をすっぽ抜けさせる形で離し、捜査員を淫猥な刺激から解放した。男は射精寸前で快楽を捜査員から取り上げ、眼前に迫った欲望の爆発という淫らな至福を奪い取ってしまったのだ。

「む! っふ……うぅ、むぅ……!!」

あと少しで、射精出来た。限界以上に張り詰めさせられた男根から白く濁った体液をはしたなく噴き出させる瞬間を目の前で遠ざけられた捜査員は哀しげな鳴き声を上げて裸体をくねらせ、無意識に腰をカクカクと振って先走りに濡れた男根を振り乱した。その様子を見て、男がまた残忍に微笑む。正義の心を保ち、必死に絶頂を堪えていたほんの一時間前の姿が嘘のように射精を欲しがる捜査員の悶絶を愉しみ、興奮と加虐心を加速させた男はまだお預けの衝撃から立ち直っていない捜査員の男根を右手で握り直すと、白々しい謝罪を口にしながら容赦の無い速度で捜査員のイきたがっている男根を擦り上げ始めた。

「ん、っうぅ! ふ、ふぅ、ふぶぅっ」
「ごめんごめん、手が滑ってまた抜けちゃったよ。今度こそちゃんとイかせてあげるから安心してね、捜査員さん」
「んぉっ、ぶぐ、うぶふぅぅっ!」

笑い混じりに紡がれる嘘が隠しきれずに滲み出た男の言葉に絶望を募らせながら、捜査員は屈服した心で一生懸命に射精を欲しがり、痛々しい唸りと身のよじりで絶頂を夢中でねだり、すでに再度の寸止めを心に決めている男の五感をこれ以上無く悦ばせるのだった。






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