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少年は壁の中で必死に腰を振る

2020.04.03.Fri.22:00
ピーという電子音を立てて、一つ目の扉が開く。同じ電子音と共に、二つ目の扉も開かれる。背後に敵が迫っていないかを振り向いて確認しながら、少年は三つ目の扉の前に立った。この扉を開ければ、目的の物が手に入る。厳重に守られた宝飾品を持ち出し、怪盗としての仕事を遂行出来る。
その思いを抱きながら少年は黒のスーツに首から下を隙間無く覆われた肉体を無音で素早く動かすと、事前に調べあげたパスワードを扉に設置されたパネルへと打ち込んでいく。
警戒を決して怠らず、目にも留まらぬ速度で文字を入力していく怪盗少年の指が最後の一文字を入れ終えると同時に、三つ目の扉が先の二枚と同じ電子音を立てた。その音に、少年は小さくガッツポーズを作り、開いた扉の向こうで待ち伏せをされていたとしてもすぐに逃れられるよう身構える。
そうして身構えていた肉体は、扉が開いた途端一気にバランスを崩した。目の前の扉の向こうにいた敵から逃れることも叶わないほどの速さで攻撃を受けたからではない。少年に、予想外の事態が訪れたからだ。

「っ!? うぁぁぁっ!?」

電子音の後に開いたのは少年の前の扉ではなく、格子模様で継ぎ目を隠されていた床の扉で。突然に足場を失った少年はどこかに捕まることも叶わぬまま十数メートル先の柔らかなクッションへと背中から落下した。

「くそっ……罠か」

手に入れたパスワードが偽物だったのか。あるいは何かしらの工程を挟まなければ落下してしまうのか。いずれにせよ、宝飾品を狙う者を対象とした罠に嵌まってしまった事実は間違いない。それを把握した少年怪盗は、深い穴からの脱出を求めての行動を開始した。
しかし、その行動は手遅れだった。少年を落とした穴は轟音を立てながら壁を狭めていき、どうやっても逃げ出せないよう肉体をきつく圧迫しようとしてきたからだ。

「なっ!? く、間に合え……!」

用意しておいた脱出に使える道具を、少年が慌てて取り出そうとする。けれど、壁はあっという間に少年怪盗を挟み込み、道具を行使しようとしていた手は床と同じクッションに覆われた壁を無意味に押すことしか出来なくなってしまった。

「く、あぁっ! どうにか、外、に……!」

必死に身体をもがかせ、上に見える光の元へと向かおうと試みる少年怪盗の足掻きも虚しく、壁は完全に閉じきって光は見えなくなり、少年は暗闇とクッションに包み込まれ、身動きを完全に封じられてしまった。
呼吸は問題なく行えるが、手も足も出せない。道具で窮地を脱しようにも、その道具を取ることすら困難な上に道具を取ったところで全身を圧迫された状況は変えられそうにない。

「逃げ、なきゃ……ここから、何とかして……っ!」

絶望に襲われながらも、希望を捨てずに身体を動かしロッククライミングの要領でクッションの壁を登ろうとする少年は、自分を捕らえた壁のクッションに少しずつ残酷な気体が染み込んでいることを知る由も無いまま、焦燥感を胸に脱出を求めていた。



「だ、れがぁっ! たひゅ、けへ……ここから、だじでぇっ!」

舌足らずに鳴き叫び、狂ったように身体をよじらせながら、少年怪盗が心の底から助けを欲する。
もちろん、その声はクッションに全て吸われて穴の外部には届かない。仮に届いたとしても、懇願を耳にするのは少年を捕らえた側の人間だけだ。

「おにぇがいぃっ! イぎだいのぉぉっ! ひんこおかひくなる、くるっぢゃぅぅぅぅっ!」

クッションに流し込まれた媚薬ガスに発情を強いられ、勃起させられた男根をスーツごしに刺激することすら許されない肉体を情けなくくねらせて柔らかなクッションに向かって腰を振る哀れな少年怪盗は暗闇の中で何時間も放置され、理性と正気が射精欲に飲み込まれる頃、芸術品を狙う少年怪盗から快楽のみをねだる色狂いへと陥落した頃ようやく解放され、少年が盗み出そうとしていた宝飾品の持ち主である男の所有物の一つとして淫らに飼育され可愛がられるのだった。






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