歪な幸せは月夜の下で構築される
2020.03.17.Tue.21:00
仕事の都合で両親と離れて暮らす少年はその夜も、近所の公園にある公衆便所の裏手で過ごしていた。
家が嫌いなわけじゃない。少年がそこにいる理由は、ただ単にその場所が好きだからだ。
木々の隙間から見える月が好き、風に揺れる木々の音が好き、肌を撫でていく風の涼やかさが好き。少年が人気の無い空間にたたずんでいるのは、そんな何でもない理由だった。
しかし、今は違う。少年がそこに足を運んでいる理由はもう、何の変哲も無い好きではない。
いつの間にか、少年がそこを訪れる一番の理由は別の物に置き換わっていた。同じ空間で一人の男と出会い、言葉の無い交流を経てから、少年は場所ではなく男を求めてそこを訪れるようになっていた。
公衆便所の壁により掛かり、期待を抑えきれずにそわそわと身体を揺らす少年の視界の右端に、男の姿が映る。思わずそちらに目を向けると、男は眼鏡を掛けた端正な顔を緩く微笑ませた。
その微笑みに、少年はすでに高まっていた期待を更に増幅させられる。もうすぐ、始まる。今日も、これを愉しめる。心臓を高鳴らせ無意識に背筋を伸ばす少年を眺めてまた笑みながら男は少年の正面に位置するフェンスの前に立ち、少年に背を向けた状態で何の躊躇いも無く……身に着けていたズボンとパンツを下ろし始めた。
カチャカチャと音が鳴り、ベルトを外されたズボンが枯れ葉の積もった地面へと落ちる。灰色のパンツだけとなった下半身を少年に向かって突き出す男は、自分を凝視している少年を挑発するように左手でフェンスを掴んだ状態で形の良い尻肉を左右にふるふると揺らし、右手で勢いよくパンツを下にずらした。
男の恥部が、少年の目の前にさらけ出される。夜の公園で、年下の少年の前ではしたない姿を見せる興奮に膨らみきった男の肉棒が、二つの睾丸と共に露わとなる。そこまでは、いつもと同じだ。しかし、今日はいつもと違っている。少年の目には、これまで見たことの無い状態を晒す男の尻穴が映っていた。
いつもは極太のアナルバイブを飲み込んでいるのに、今日の男の尻穴は小さな輪が付いた細いシリコン製の紐を垂らしている。
いつもならバイブを使って自らの尻穴を掻き回しながら何度も射精を迎え、その姿を眺めながら少年が自慰に耽る流れだ。初めて見る器具をくわえ込んだ男の尻穴をじっと見つめながら、少年は男がどんな風に尻穴を弄るのかと考えている。そうして考えながら勃起した男根を取り出した少年に、男は尻穴から垂れ下がった輪を突き出しながら、貫いていた無言を破りか細い声でおねだりをした。
「抜いて……君の手で、一気に……」
初めて男から話し掛けられた事実に、男から予想外の言葉を寄せられた事実に、少年が困惑の反応を見せる。そんな少年に向かって男はさっきよりも強く尻穴を突き出し、切羽詰まった声音で再度おねだりをした。
「お願い……引っ張って、抜いて、気持ち良く、して……っ!」
一生懸命なおねだり。年上の男が恥じらいながら行う、可愛らしく淫らなおねだり。そのおねだりを目にして男根を一層膨らませた少年は困惑を吹き飛ばし、穴からぶら下がった輪に右の人差し指を引っ掛けると男の望みに従って勢いよく輪を引いてやった。
輪と紐で繋がった球が、男の尻穴を内側からこじ開けながら体外へと排出される。ぶぽん、ぶぽん、と下品な音を立てながら球が飛び出るのに合わせて男は心地良さげに身を跳ねさせ、一番奥に埋まっていた一際大きな球が吐き出されると同時に男は淫猥な悲鳴を上げ、左右の手で掴んだフェンスをガシャガシャと鳴らしながら絶頂を迎えた。
「あぁっ、あぁぁっ! んぉっ、おひっ! ひぉぉぉんっ!」
獣のように喘ぎながら、男が尻穴のみの刺激で射精に至る。男根から噴き出た精液が地面を汚し、開ききった状態でパクパクと開閉を繰り返す尻穴から零れ落ちた腸液が足首に溜まっていた男のズボンとパンツをどろどろに濡らしていく。
その絶頂の様に、少年が生唾を飲み込む。右の人差し指に吊るされている濡れそぼったアナルビーズの重みがもたらす男をイかせたという実感が、更なる欲情となって少年の男根を刺激する。
男が求める欲望を、持て余す少年。これ以上無い勃起に苦悶しつつも、常識と理性が邪魔して獣に堕ちきれない少年。そんな少年に、男はまたおねだりを口にした。それは少年の男根を解放し、自らの尻穴の疼きを満たす淫猥極まりないおねだりだ。
「お願い、お尻に、いれてぇ……君のおっきいの、おひりに、ずぶずぶって……」
呼吸を絶頂の余韻で乱しながら口にされる、交尾を求める言葉。それを耳にした少年は、完全に理性を失った。
ここが公園だということなど、もう忘れている。男の名前さえ知らないことも、どうでも良い。少年は本能が求めるままに男の腰を鷲掴みにすると、解れきった男の尻穴に、自らの男根を突き入れてほじくり回し始めた。
「ふぁっ、あっあぁ! ひゅごい、おっきぃっ! ご主人様のより、おひんぽおっきーのぉっ!」
快楽に蕩けた声で喘ぎながら紡がれるご主人様という単語に、少年の独占欲が掻き立てられる。
今この男を犯しているのは、自分だ。この男を男根で征服しているのは、自分なんだ。激しい思いの丈を腰振りに変え、少年は柔らかくて温かい男の腸壁を男根で好き勝手に抉る。
「んぁっ、んはぁぁっ! しゅごいぃっ……こんにゃの、しゅごしゅぎるぅぅっ! 君のっ、おひんぽにぃっ……塗り潰されりゅ、ご主人しゃま上書きされりゅぅぅっ!!」
逞しい年下の男根に体内を蹂躙され、自らを淫乱に育てた男の記憶を掻き消されながら絶頂へと上り詰めていく男は、尻穴で受け入れた少年の男根を熱烈に締め付け、甲高い嬌声を放ちつつついさっき達したばかりの男根からまた精液を放出した。
「くひっ、ひぅぅんっ! あぁ、きもひい……んぁっ!? おひり、れてりゅぅっ! いっぱい、しぇーえきぃっ……!」
「っ、くぅっ……!」
男根を食い千切りそうな程の圧迫と、絶頂に合わせての痙攣を感じながら、少年は男の腸内に大量の精液を流し込んだ。
尻穴を満たされながらの射精と、男根を尻穴で歓迎されながらの腸内射精。別々の形で快楽を極めた男と少年はしばし繋がったままの体勢で荒い呼吸を繰り返す。
その呼吸が落ち着く頃、射精を迎えた二本の男根が硬度はそのままで射精の余韻が引く頃、男は少年に次のおねだりを発した。
相手を少年ではなく、自分自身の全てを捧げるべき存在と認めて紡がれる、甘く淫らな屈服宣言だ。
「お願い、しましゅぅっ……もっともっと、たくさん種付けしてくらひゃい……なんれも言うこと聞きましゅ、から……僕のご主人ひゃまになって、いっぱいエッチに可愛がってくだしゃい……」
少年の答えは、考えるまでもなく決まっていた。こんなに可愛い男を逃がしなどしない。その感情を叩き付けるように、少年はまた腰を打ち付け出す。
「可愛いですよ、お兄さん。年上とは思えないくらい可愛くて……どうしようも無いくらい淫乱で、愛おしい最高のペットですよ」
ペット。前の主からも言われたことの無かった甘美な立場に、男の全身が幸福の電流で痺れる。
「ひゃいぃっ、ペット、ペットですぅっ。僕はペット、ご主人しゃまらけのぉ……淫乱ペットれしゅぅっ」
「そう、良い子だ。物覚えの良い子には、精液のご褒美を注いであげようね」
「あふっ、ひゃぅぅっ! びくびくしてるぅ……また、精液もらえりゅ、種付けもらえるのぉぉっ!」
出会いも、心が通じ合った経緯も、通じ合った後の関係性も、何もかもが端から見たら歪んでいる。けれど、二人は確かに幸福で、年下の主と年上のペットという歪な幸せを手に入れた一人と一匹は夜風が吹き抜ける月夜の下で何時間もまぐわい合い、嘘偽りの無い愛情を心と身体で確かめ合っていた。
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家が嫌いなわけじゃない。少年がそこにいる理由は、ただ単にその場所が好きだからだ。
木々の隙間から見える月が好き、風に揺れる木々の音が好き、肌を撫でていく風の涼やかさが好き。少年が人気の無い空間にたたずんでいるのは、そんな何でもない理由だった。
しかし、今は違う。少年がそこに足を運んでいる理由はもう、何の変哲も無い好きではない。
いつの間にか、少年がそこを訪れる一番の理由は別の物に置き換わっていた。同じ空間で一人の男と出会い、言葉の無い交流を経てから、少年は場所ではなく男を求めてそこを訪れるようになっていた。
公衆便所の壁により掛かり、期待を抑えきれずにそわそわと身体を揺らす少年の視界の右端に、男の姿が映る。思わずそちらに目を向けると、男は眼鏡を掛けた端正な顔を緩く微笑ませた。
その微笑みに、少年はすでに高まっていた期待を更に増幅させられる。もうすぐ、始まる。今日も、これを愉しめる。心臓を高鳴らせ無意識に背筋を伸ばす少年を眺めてまた笑みながら男は少年の正面に位置するフェンスの前に立ち、少年に背を向けた状態で何の躊躇いも無く……身に着けていたズボンとパンツを下ろし始めた。
カチャカチャと音が鳴り、ベルトを外されたズボンが枯れ葉の積もった地面へと落ちる。灰色のパンツだけとなった下半身を少年に向かって突き出す男は、自分を凝視している少年を挑発するように左手でフェンスを掴んだ状態で形の良い尻肉を左右にふるふると揺らし、右手で勢いよくパンツを下にずらした。
男の恥部が、少年の目の前にさらけ出される。夜の公園で、年下の少年の前ではしたない姿を見せる興奮に膨らみきった男の肉棒が、二つの睾丸と共に露わとなる。そこまでは、いつもと同じだ。しかし、今日はいつもと違っている。少年の目には、これまで見たことの無い状態を晒す男の尻穴が映っていた。
いつもは極太のアナルバイブを飲み込んでいるのに、今日の男の尻穴は小さな輪が付いた細いシリコン製の紐を垂らしている。
いつもならバイブを使って自らの尻穴を掻き回しながら何度も射精を迎え、その姿を眺めながら少年が自慰に耽る流れだ。初めて見る器具をくわえ込んだ男の尻穴をじっと見つめながら、少年は男がどんな風に尻穴を弄るのかと考えている。そうして考えながら勃起した男根を取り出した少年に、男は尻穴から垂れ下がった輪を突き出しながら、貫いていた無言を破りか細い声でおねだりをした。
「抜いて……君の手で、一気に……」
初めて男から話し掛けられた事実に、男から予想外の言葉を寄せられた事実に、少年が困惑の反応を見せる。そんな少年に向かって男はさっきよりも強く尻穴を突き出し、切羽詰まった声音で再度おねだりをした。
「お願い……引っ張って、抜いて、気持ち良く、して……っ!」
一生懸命なおねだり。年上の男が恥じらいながら行う、可愛らしく淫らなおねだり。そのおねだりを目にして男根を一層膨らませた少年は困惑を吹き飛ばし、穴からぶら下がった輪に右の人差し指を引っ掛けると男の望みに従って勢いよく輪を引いてやった。
輪と紐で繋がった球が、男の尻穴を内側からこじ開けながら体外へと排出される。ぶぽん、ぶぽん、と下品な音を立てながら球が飛び出るのに合わせて男は心地良さげに身を跳ねさせ、一番奥に埋まっていた一際大きな球が吐き出されると同時に男は淫猥な悲鳴を上げ、左右の手で掴んだフェンスをガシャガシャと鳴らしながら絶頂を迎えた。
「あぁっ、あぁぁっ! んぉっ、おひっ! ひぉぉぉんっ!」
獣のように喘ぎながら、男が尻穴のみの刺激で射精に至る。男根から噴き出た精液が地面を汚し、開ききった状態でパクパクと開閉を繰り返す尻穴から零れ落ちた腸液が足首に溜まっていた男のズボンとパンツをどろどろに濡らしていく。
その絶頂の様に、少年が生唾を飲み込む。右の人差し指に吊るされている濡れそぼったアナルビーズの重みがもたらす男をイかせたという実感が、更なる欲情となって少年の男根を刺激する。
男が求める欲望を、持て余す少年。これ以上無い勃起に苦悶しつつも、常識と理性が邪魔して獣に堕ちきれない少年。そんな少年に、男はまたおねだりを口にした。それは少年の男根を解放し、自らの尻穴の疼きを満たす淫猥極まりないおねだりだ。
「お願い、お尻に、いれてぇ……君のおっきいの、おひりに、ずぶずぶって……」
呼吸を絶頂の余韻で乱しながら口にされる、交尾を求める言葉。それを耳にした少年は、完全に理性を失った。
ここが公園だということなど、もう忘れている。男の名前さえ知らないことも、どうでも良い。少年は本能が求めるままに男の腰を鷲掴みにすると、解れきった男の尻穴に、自らの男根を突き入れてほじくり回し始めた。
「ふぁっ、あっあぁ! ひゅごい、おっきぃっ! ご主人様のより、おひんぽおっきーのぉっ!」
快楽に蕩けた声で喘ぎながら紡がれるご主人様という単語に、少年の独占欲が掻き立てられる。
今この男を犯しているのは、自分だ。この男を男根で征服しているのは、自分なんだ。激しい思いの丈を腰振りに変え、少年は柔らかくて温かい男の腸壁を男根で好き勝手に抉る。
「んぁっ、んはぁぁっ! しゅごいぃっ……こんにゃの、しゅごしゅぎるぅぅっ! 君のっ、おひんぽにぃっ……塗り潰されりゅ、ご主人しゃま上書きされりゅぅぅっ!!」
逞しい年下の男根に体内を蹂躙され、自らを淫乱に育てた男の記憶を掻き消されながら絶頂へと上り詰めていく男は、尻穴で受け入れた少年の男根を熱烈に締め付け、甲高い嬌声を放ちつつついさっき達したばかりの男根からまた精液を放出した。
「くひっ、ひぅぅんっ! あぁ、きもひい……んぁっ!? おひり、れてりゅぅっ! いっぱい、しぇーえきぃっ……!」
「っ、くぅっ……!」
男根を食い千切りそうな程の圧迫と、絶頂に合わせての痙攣を感じながら、少年は男の腸内に大量の精液を流し込んだ。
尻穴を満たされながらの射精と、男根を尻穴で歓迎されながらの腸内射精。別々の形で快楽を極めた男と少年はしばし繋がったままの体勢で荒い呼吸を繰り返す。
その呼吸が落ち着く頃、射精を迎えた二本の男根が硬度はそのままで射精の余韻が引く頃、男は少年に次のおねだりを発した。
相手を少年ではなく、自分自身の全てを捧げるべき存在と認めて紡がれる、甘く淫らな屈服宣言だ。
「お願い、しましゅぅっ……もっともっと、たくさん種付けしてくらひゃい……なんれも言うこと聞きましゅ、から……僕のご主人ひゃまになって、いっぱいエッチに可愛がってくだしゃい……」
少年の答えは、考えるまでもなく決まっていた。こんなに可愛い男を逃がしなどしない。その感情を叩き付けるように、少年はまた腰を打ち付け出す。
「可愛いですよ、お兄さん。年上とは思えないくらい可愛くて……どうしようも無いくらい淫乱で、愛おしい最高のペットですよ」
ペット。前の主からも言われたことの無かった甘美な立場に、男の全身が幸福の電流で痺れる。
「ひゃいぃっ、ペット、ペットですぅっ。僕はペット、ご主人しゃまらけのぉ……淫乱ペットれしゅぅっ」
「そう、良い子だ。物覚えの良い子には、精液のご褒美を注いであげようね」
「あふっ、ひゃぅぅっ! びくびくしてるぅ……また、精液もらえりゅ、種付けもらえるのぉぉっ!」
出会いも、心が通じ合った経緯も、通じ合った後の関係性も、何もかもが端から見たら歪んでいる。けれど、二人は確かに幸福で、年下の主と年上のペットという歪な幸せを手に入れた一人と一匹は夜風が吹き抜ける月夜の下で何時間もまぐわい合い、嘘偽りの無い愛情を心と身体で確かめ合っていた。
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