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虎は年下の狼に愛される

2020.02.27.Thu.21:00
店と契約している宿屋から指名の連絡を受け、虎獣人の男は指示に従って宿屋の一室へと足を運んだ。
今日は、どんな男に抱かれるのだろうか。過去に客となった男達を思い浮かべ、すっかり男根の味を覚えてしまった尻穴を衣服の下ではしたなく疼かせながら扉を軽く叩いた虎に、指名した客が部屋の中から声を掛ける。

「どうぞ、開いてますから入ってきてください」

声を聞いた虎は、表情を笑ませながら扉の取っ手に右手を掛けて引き、いつも通りに挨拶を行いながら部屋へと入った。

「お待たせ致しました。ご指名ありがとうござい……え……っ?」

笑っていた虎の顔が、驚きで強ばる。紡がれていた挨拶が、予想外の事態に面した衝撃で途切れる。
言葉を失い、思考を停止させ、惰性で部屋へと足を踏み入れながら後ろ手で扉を閉じた虎。そんな虎に、部屋にいた人物が、嬉しそうに表情を緩ませている狼獣人の青年が話し掛けた。

「お久しぶりです、○○さん。貴方が腕を痛めて、騎士団を離れて以来ですね」

狼獣人が、腰掛けていたベッドから立ち上がり入り口付近で硬直している虎へと歩み寄る。少しずつ距離を詰めてくる狼に、かつての部下であり可愛がっていた後輩でもある狼の青年に対して、虎は何も言えない。何も言えないまま、虎は胸に恐れの感情を募らせていた。
負傷が原因で騎士を続けられなくなった後、虎は故郷を遠く離れて前々から興味を抱いていた仕事を、身体を客に捧げ快楽と金銭を得る仕事をしていた。騎士の生活を続けていたら、自分が騎士だったことを知る者がいる土地だったら絶対に味わえない淫蕩の日々に溺れ、虎は淫らな幸福を感じながら生きていたのだ。
そんな虎がいる土地まで足を運び、店に対して指名までしてきた以上、狼は全てを分かっているに違いない。騎士だった頃に自分を敬い、部下として人として敬意を示してくれていた狼の青年は、今の自分を快く思っていないに決まってる。
罵倒、怒り、失望、一体狼からどんな言葉をぶつけられるのだろう。そんなことを考えて戦慄し、虎は狼が近付くにつれて身体の強ばりを高めていく。逞しく鍛え上げられた肉体とは裏腹に怯え切り、小刻みに震えている虎に気付いた狼は小さく吹き出すように笑うと腕を広げ、尊敬と恋情を寄せていた虎に負けないほどに鍛えた肉体で虎を優しく抱き締めた。

「○○さん、可愛いですね。ずっと昔から、○○さんをこうして抱き締めたいって思ってました」
「え……あっ、んむっ……」

力強く抱き締めた狼の右手が、虎の頭部を後ろから優しく引き寄せる。吐息を甘く乱した口を開き、狼は舌を虎の口に潜り込ませて荒々しく熱烈な口付けを仕掛けてくる。

「んくっ、ふ、んむっ、ぷぁ、はっ」

狼獣人特有の長い舌で口内を撫で回される刺激に、虎は淫らに濡れた声を零しながら狼の腕の中で肉体をビクビクと跳ねさせる。その肉体の跳ねは、さっきまでの震えとは全くの別物の幸福感に包まれた物で。虎は自分が考えていた恐れが勘違いだと本能で知らせてくれる口付けで心地良さげに震え、自らも舌を絡ませに行きながら年下の狼の背中に回した手に力を込めて狼に激しく抱き付いた。
ぴちゃぴちゃと水音を立てて舌と舌を絡ませ合い、柄と太さの違う二本の尻尾を嬉しそうに揺らめかせながら口付けに夢中になっていた狼と虎は、あまりの多幸感で虎が腰砕けになると同時に口付けを切り上げた。

「は、ひ、あぁぁ」
「キスだけでとろとろになっちゃったんですね……こんなに気持ち良くなって貰えて、嬉しいですよ」
「あぅ、あぁんっ!」

耳を舐められながら囁かれた狼の言葉に、虎の全身がゾクゾクと震える。狼の胸板に顔を埋めてしがみつき、力を上手く入れられない足で必死に身体を支えながら初めてした時を遙かに上回る緊張と興奮に心臓を高鳴らせる虎。そんな虎を改めて抱き締め、右手で頭をそっと撫でながら左手で鷲掴みにした尻肉を引き寄せて勃起した自身の男根を虎へと衣服ごしに押し付ける狼は、これ以上無く可愛い年上の虎の男に向かって掠れた声で宣言した。

「今から、もっともっととろとろにしてあげますからね。○○さんをとろとろにして、たくさん気持ち良くして、ずっと見たかった○○さんのいやらしい姿を俺が満足するまで見せてくださいね?」

騎士であった頃の上司と部下。金で呼ばれた男娼と客。それらの関係性を全て忘れ、欲望のままに狼に愛されたいと心の底から願った虎は狼の胸板に顔を押し付けた状態で言葉に対して小さく頷き、狼が求める飾らない痴態を求められるがままにさらけ出していくのだった。






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