FC2ブログ

甘い夜は二人きりの山奥で

2018.10.22.Mon.21:00
都会から遠く離れた、田舎の個人商店。食料品を中心に扱い、依頼があれば配達も行うその商店の主人である青年は、常連の配達先へと向かうため、夜の山道を車で走っていた。
段々と家と街灯が少なくなっていく山の奥深くまで車で進み、たどり着いたのは木々の中にぽつんと立つ一軒の家。車を降りた青年は、呼び鈴を鳴らして家の主を待つ。数十秒後に現れたのは、一人の男だ。

「こんばんは、○○商店の□□です。ご注文の品をお届けにあがりました」
「やぁ、いらっしゃい。待ってたよ。配達ご苦労様」

何でもない、店の主人と客の会話。だが、それはほんの一瞬の戯れに過ぎない。
にっこりと微笑んでいる客の男は、不自然に息を荒くして顔を赤く染めている青年に意地悪く問いかけた。

「さて、今日はもう遅いし荷物を置いたらすぐに帰るかい? それとも、ここに泊まっていくかい?」
「え……っ?」
「好きな方を選んで良いよ。決めるのは……君だからね」

客としてではない口調で男に問われた青年は、もどかしげに下唇を噛んだ。
朝からずっと期待で疼いていた身体は薄緑色の作業着の中で甘い熱を発している。男の家との距離が近付くにつれて火照りを増していた肉体は、もう意地を張る余裕すら無い。
青年は男の顔を見上げて甘えた視線を向けると、男の問いかけに答えた。店の主人としてではなく、男に愛情を寄せる淫らな獣の本性をあらわにして、男に抱きつきながらおねだりをした。

「お願い……しますぅっ……ここに、泊めてください。俺をここに泊めて、いっぱい苛めて……よがり鳴かせてください……っ!」

教え込んだ淫猥なおねだりの言葉を切羽詰まった様子で口にする青年の蕩けた顔を見つめる男は、青年を自分が独占している事実に強い興奮と欲情を抱き、感情が求めるまま噛みつくように青年の唇に自身の唇を重ねた。

「んっ、むふっ……んっ、ふぁ……きひゅ、きしゅぅっ……」

口付けを与えられた瞬間、青年の表情と心は更に蕩けた。男の口から注がれる唾液を夢中に飲み干し、口内に入り込む男の舌に自身の舌を一生懸命に絡ませ、着ている作業着が零れた唾液で汚れることもいとわずに男の口付けに応える青年。二人きりの山の中に粘ついた水音がぴちゃぴちゃと鳴り始めてから約一分。長く続いた口付けが終わると同時に、青年の身体はくったりと脱力して男へと寄りかかった。
その寄りかかった身体を愛しげに抱き留めた男は、青年の体勢を腕の中で変えさせると、脱力した青年を力強く持ち上げた。
背中を右手で支え、膝を左手で支えるそれは、いわゆるお姫様抱っこの状態だ。

「さ、いつまでも外にいたら風邪をひくし、中に入ろうか。この続きは、お布団の上でゆっくり……ね」
「はい……っ」

店の主人と客から大きく踏み越えた甘く幸せな二人の夜は、まだまだこれからだ。






↓よろしければ、応援クリックお願いします↓

小説(BL) ブログランキングへ

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL短編小説へ
にほんブログ村
blogramで人気ブログを分析

B L ♂ U N I O N
↓よろしければ、こちらも応援クリックお願いします↓




















ゲイ向け野郎系コミック、電子書籍のダウンロードショップ - DLsite G


火華
関連記事
スポンサーサイト
[PR]

[PR]

コメント

管理者のみに表示