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男達は無我夢中に媚薬を求める

2018.10.06.Sat.21:00
「はぁ、はぁっ……あぅ、あぁぁ……っ」
「ん、くぅ……ひ、はっ、はぁ、あはぁぁ……」

二人の男が、拘束された裸体を苦しげによじらせながら荒い呼吸を繰り返している。息を整えたくても整えられない。呼吸をすればするほど苦悶が強まっていくと頭で理解していても、二人は乱れた呼吸をやめられない。
そんな哀れな男達を作り出し、赤色のソファーに腰掛けて二人が悶える様を目と耳で愉しんでいた男は、一際にんまりと微笑むと右足に力を込め、足下に置いたペダルをゆっくりと踏み込んでいく。

「ひっ!? や、やめろ! やめてくれぇっ!」
「ふま、ないれぇ……許して、許して……ぇ!」

ペダルが操作されている。その事実に気付いた男達は、ガスマスクに似た黒の器具ごしに縋る視線を男に向けてなりふり構わずに哀願を行った。だが、無慈悲な男は足の動きをとめない。男は、無様な哀願と、両手両足を床に置かれた白い箱形の器具に飲み込まれた男達の裸体が必死に身悶える光景を眺めながら、徐々にペダルを踏む力を強めていく。
それをやめさせたくても、太ももから先と二の腕から先を箱に拘束され、硬いスポンジのような素材で緩み無く絞め付けられた手足ではやめさせられない。頭部に被せられたガスマスク似の器具を外せれば足を限界まで踏み込まれても苦しみが訪れないと知っていても、今の男達の手では器具に触れることさえ出来ない。
誇りを捨てて許しを請い、一生懸命に足掻いて苦しみから逃れようとしていた男達の行動は全て無駄で。ペダルが限界まで踏み込まれると同時に、男達は先程までとは全く違う苦しみに襲われることとなった。
ペダルと連動している器具が透明なゴムチューブを強く挟み込んだことで床に置かれたビンに並々と注がれた強力な媚薬を吸入しなくて良くなった代わりに、男達はガスマスクに繋がれたゴムチューブを通してもう一人と空気を交換し合う不完全な呼吸を強いられてしまったのだ。

「あ、うっ……こ、ほ、あぁ……!」
「ふ、ひゅ、か、はっ……は、おぉ……!」

媚薬によって容赦無く火照らされた裸体をくねらせて汗を飛ばし、硬く張り詰めた男根をぶるぶると振り乱しながら、二人は息苦しさに悶絶している。快楽を欲する思考は理性で抑え付けることが出来るが、酸素が欲しいという生物として当然の欲求はどうやっても抑えられない。元々発情のせいで息が乱れていたこともあり、二人はあっという間に酸欠の状態へと追い込まれていく。

「は、が……! あ、ふ、はっ、は……」
「ふ、ひ、くひ、はぁ、あぉ……!!」

呼吸が、したい。媚薬混じりでも良いから、吸いたい。もう一人が吐き出した空気に含まれるわずかな酸素を貪るように消費しながら、二人は悲痛な願望を胸に抱く。
その胸の願望を手に取るように見透かしている鬼畜な男は、愉快その物といった口調で二人に問いをぶつけた。
実質選択肢が一つしか無い、悪意の固まりと称しても過言では無い問いを、だ。

「刑事さん達、また媚薬吸いたい? それとも、もう一生吸いたくない? 好きな方を選んでも良いよ?」

更に発情を加速させるか、死か。答えは決まりきっている。
刑事と呼ばれた男達は屈辱も羞恥も忘れ、死を避けたい一心で媚薬の吸入を望んだ。

「び、やぐ……ずわ、ぜで……っ!」
「ずいだい、です……は、やぐ……おねっ、おにぇ、がひ……!!」

力を振り絞って、無我夢中に媚薬を吸わせてくれと口にする刑事達。正義とは程遠い惨めな姿をしばらく堪能した男は右足を動かし、ペダルを元の状態に戻して二人に呼吸を許した。
チューブを挟んでいた器具がチューブを離し、媚薬入りのビンと二人の頭部の器具を繋ぐ道が解放される。

「あぁっ、はっ、あぁ……びやく、びやくぅぅ……すえる、すえるぅぅ……!」
「いき、できるぅ……びやく、ありがとう、ごひゃいましゅ……ありらとう、ごらいまひゅぅ……っ!」

ようやく許された呼吸に安堵し、感謝の言葉まで放ちながら媚薬を体内に取り込む刑事達を正面から観察する男は順調に崩壊へと向かっている二人に満足感を募らせつつ、次にペダルを踏み込んで呼吸を禁じるタイミングはいつにしようかという残酷な思考を巡らせていた。






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