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無慈悲な男は針を沈み込ませる

2017.09.21.Thu.21:00
扉に掛けられていた鍵が外される音が地下室に響き、鍵を外された扉は軋む音を立てながら部屋の内側に向かって開いた。
暗闇に覆われていた地下室内に、外側から光が差し込む。その光に照らされた存在は、地下室に閉じ込められていた青年は、疲弊した顔を扉を開けた男に向けて唸り声を漏らした。

「ん…うぅっ、むっ…!」

口に詰められた布と、歯を割って噛まされた布を強く噛みながら青年は鼻と口を覆う白布の猿轡の下で表情を険しく歪ませ、自分を見下ろしながら地下室の明かりを点ける男を鋭く睨む。
だが、睨まれている側の男は至って涼しい顔だ。当然だろう、猿轡に言葉を奪われ、衣服を剥ぎ取られた裸体に縄を着せられた青年が幾ら睨んでも、それは無様で可愛らしい反抗でしか無い。
猿轡を毟り取る事すら出来ないよう手首を背中できつく縛り上げられ、二の腕を胸部に遊び無く括り付けられた青年は、思い通りに手を使う事を禁じられている。それだけでも十分な拘束だが、男は青年の足にも縄を与え、足首同士と膝同士、そして太もも同士を短く繋いでしまった。この足の縄のせいで、青年は壁を利用して立ち上がる事も不可能にされ、縄のみを着た裸体を情けなく床でのたうたせる事しか出来なくされてしまった。
手が使えず、足も使えず、しゃべる事も叶わない。そんな青年がどんなに一生懸命に睨んでも、滑稽なだけ。男は、その滑稽な青年を見て愉しそうに微笑み、ゆったりとした足取りで逃げられない青年に近付くと、持って来たバッグを床に下ろしながら腰を下ろし、自分を睨む青年のあごを掴みながらわざとらしいくらいに優しい声音で問いかけた。

「スパイ君、どうだい? 私に雇い主を白状してくれる気になったかな?」
「んんっ…! むぐぅっ……!!」

男の問いに対して、青年スパイは食い気味にノーの意思を込めた唸りを発した。
捕らわれた上に情報を吐くなど、スパイとしてのプライドが許さない。何より、自分を屈辱的な格好で放置していった男に屈したくない。その思いから、青年スパイは問いを掻き消す勢いで拒否を示した。
けれど、青年が拒否を示す事を、男は予想していたらしい。やっぱりといった笑みを浮かべた男は、床に置いたバッグに手を突っ込みつつ、残念と言わんばかりに言った。

「そうか…じゃあ、しょうがないね。本当はやりたくないけど、もっとひどい事をしてしゃべる気にさせてあげるよ」
「うぅ! んむぅっ…ぐっ!」

右肩を掴まれ床にうつ伏せにさせられた青年は、男の手がバッグから取り出した縄を自分の首に結わえていくのを感じて暴れるが、縄で全身を縛り上げられた状態で暴れてもそれは抵抗にすらならない。男は青年の無意味なもがきを体重をかけてあっさりと抑え込みながら青年の首に縄を結わえ、その縄を足首を縛る縄へと繋ぎ、青年の裸体を後ろに仰け反った状態から離れられないようにしてしまった。
足を伸ばそうとすれば、首が絞まる。今まで以上に自由を奪われた青年はさっきまでよりも強い目を作って男を睨むが、それは無慈悲な男の加虐心を煽る結果しか生まない。男は、強気な態度を作り続ける青年スパイの姿に背筋を震わせ、この強気な態度を崩して泣き喚かせたいという欲望に従ってバッグから道具を取り出し、粘ついた口調での説明を行った。

「ほら、見てごらん。スパイ君が情報を欲しがっていた薬だよ。今から君に注射して、身体でたっぷり情報を手に入れさせてあげるよ…嬉しいでしょう?」
「っ…!? むぐぅぅっ!?」

青年がスパイとして情報を手に入れようとしていた薬品を入れた注射器を、強力な媚薬を入れた注射器を、男は何の躊躇いも無く青年スパイの右腕へと近付けていく。
それを注射されたら、抑え切れない程の発情に襲われ、快楽が欲しくて堪らなくなる事を青年スパイは調査したから知っている。その快楽が欲しくて堪らなくなる状態を、両手両足を縛り上げられ身悶える事も出来ないよう首と足首を繋がれた姿で強いられたら気が狂いそうな程のもどかしさに襲われる事も、分かってしまう。
男根を刺激したくても満足に刺激出来ない発情地獄に、もうすぐ堕とされる。それに気付いた青年スパイは強気な目を恐怖で崩し、反抗ではない哀願の意志がこもった声で男に唸る。
しかし、男は青年スパイの哀願の唸りを聞き入れず、自分に都合良く解釈して青年を絶望させるだけだ。

「んんーっ! んぐっ、うぅ! ふぐぅぅぅ!!」
「そんなに感謝しなくても良いよ。僕も、薬の効果を目でじっくりと観察出来るから持ちつ持たれつの関係って奴だよ」
「うー! むぎゅぅぅぅぅぅーっ!!」

男の腕に抑えられた青年のスパイの足掻きも虚しく、残酷な程に強力な媚薬を内部に詰めた注射器の針は青年の右腕にずぶずぶと沈み込んでいった。






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