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男は青年が淫らに狂う様を見つめる

2017.05.02.Tue.21:00
白い蒸気が立ち込める空間は、入った瞬間はサウナと勘違いする者がいても不思議ではない。だが、勘違いした者は空間に足を踏み入れてすぐにそこがサウナでない事に気付くだろう。何故なら、空間に立ち込めている白の蒸気はサウナではあり得ない異様な匂いを、男の絶頂の証である精液の匂いをまとっており、淫臭が充満した空間の中央には衣服を取り上げられた裸体を頑丈な枷と鎖で拘束され自由を奪われた一人の青年が、顔の下半分を覆う白布の猿轡ごしに言葉にならない唸りを上げながら身悶えているからだ。

「ん…むぅぅっ……ふぐ、むぐ、んもぉぉ……っ」

自身の唾液でぐしょぐしょに濡れた口内の布と、歯を割って噛まされた布。そして汗と唾液で濡れそぼっている鼻と口を覆う布の下からくぐもった声を漏らし、見開いた目から涙を零しつつ裸体をくねらせている青年は、心も身体もとっくの昔に限界を迎えている。
両手首を頭上高く持ち上げた状態から下ろせないよう、足首を床に短く繋いで動かせないよう裸体を立ったままX字に引き延ばして拘束している枷と鎖を外そうともがく気力はおろか、救いを与えてくれる者に届かない事を承知で哀願の絶叫を発する気力ももはや無い。
猿轡による単純な息苦しさに加え、蒸気の暑さと蒸気がまとう淫臭に追い詰められた青年は反抗の意志と思考能力を大きく削り落とされ、無駄な足掻きを行う事さえ出来ない状態に陥っている。おそらく、自分を拘束して放置していった者が部屋に戻ってきても青年は怒りの眼差しではなく許しを請う眼差しをその者に向け、弱々しい呻きで暑さと匂いの責め苦から解放してくれと意思表示を行うだろう。

しかし、青年を嬲る男はそれでは満足出来ない。男が見たいのは青年が惨めに陥落し無様に屈服する様ではなく、無意味な哀願の悲鳴を発しながら悶え狂い自我と理性を失っていく青年の痴態なのだ。残酷なまでに青年を乱れさせ、発狂するくらいに苦しめなければ気が済まない。大事な部下達を倒し消滅させてきた青年ヒーローへの憎しみは消えそうに無い。
故に、男はよがり鳴く青年が映るモニターを眺めながら手元のスイッチを操作した。男は初めて敬愛する首領の命令に逆らい、捕らえた青年ヒーローを淫らに狂わせる目的で、青年ヒーローに追加の責めを施した。
蒸気の温度を引き上げ、蒸気に淫臭だけでなく強力な淫薬のガスも混ぜる責めを。

「んー…んぅ、ふむっ……うぐぶぅぅぅ…」

地獄が濃さを増した事実と別室から観察されている事実を知る由も無い青年ヒーローは、真っ赤な顔で荒い息を吐きながら汗まみれの裸体を力無くくねらせている。
この力無くくねっている裸体がもうすぐ淫薬の発情で変化し、硬く尖った乳首と勃起した男根を振り乱しながら激しく悶え出す。弱い唸りも、喉が張り裂けんばかりのくぐもった叫びに変わる。
憎いヒーローが一生懸命に腰を振って甘い刺激を心から欲しがる光景。それを愉しみにしながら、男は首領にも邪魔されないよう自分がいる部屋の扉と青年ヒーローが苦悶している部屋に厳重なロックを掛け、スイッチから手を離して椅子に深々と座り、青年ヒーローが映るモニターを食い入るように眺め始めた。



「んむぅぅぅぅぅぅーっ!! うぶっ、ぐふっ、むぎゅぅぅぅぅぅぅんっ!!」

狂気を孕んだ男は部屋の扉が激しく叩かれる音が聞こえ始めても意に介さず、追加された責めで淫らに狂い堕ちていく青年ヒーローの姿を、よどんだ瞳でじっと見つめていた。






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