兵士長は裸体を箱詰めにされる
2015.12.16.Wed.21:00
「さっさと起きろよ。兵士長さん」
「ほら、早く目ぇ覚ませ」
尊大な口調で言いながら、男達は眠りに就いている兵士長の男の左頬を右手で軽く叩く。ぴしゃりぴしゃりという手の肉が頬の肉を打つ乾いた音と、頬が打たれる衝撃で生まれる緩い痛み。それらは深い眠りに落とされていた兵士長の意識をゆっくり覚醒へと導き、程無くして兵士長は、自分を捕らえた敵国の男達に見られながら目を覚ました。
「お、やっと起きたな」
「おはよう、兵士長さん。今までに見た事の無い自分の姿を見る気分はどうだ?」
尋ねながら、片方の男が兵士長の前に設置しておいた大きな鏡を左手の甲でコンコン、と示す。示されるがままに、兵士長は目の前にある鏡に虚ろな眼差しを向け、そして、鏡に映っている自身の異常な姿に驚いて目を見開いた。
「な…!? これ、は……っ?」
通常ではあり得ない光景に、兵士長の男はただただ驚愕するしか無い。鎧と衣服を一つ残らず脱がされ裸体にされている事実を素肌の感覚で把握しても、手足が思い通りには全く動かせない状態だと気付いても、驚愕する自分を見て敵国の男達が心底愉しそうに笑っても、それらが全く気にならないくらいの驚愕を兵士長に与えた光景。それは、首から下の肉体を小さな黒い箱に詰め込まれているという光景だ。
箱の上の穴から出ている男の頭部より一回りか二回りくらいしか大きさの違わない小さな箱は、鍛え上げられた筋肉をまとったたくましい裸体が収まるとは決して思えない。だというのに、兵士長の裸体はその小さな箱の中に押し込められ、しっかりと収納されてしまっていた。
自分の身に何が起こっているのか。自分を捕らえた者達に眠っている間に何をされたのか。理解しようとしても叶わず、抑え切れぬ困惑に表情を強張らせている兵士長に、男達は笑い交じりに説明を加えた。
「その箱、すげーだろ? うちの国の新技術なんだぜ?」
「こいつを使えば、大量の物資を小さいスペースで運べるし、管理するスペースも少なくて済む。その上…捕まえた捕虜の脱走を防ぎながら、手も足も出せない無様な姿にさせられるんだぜ?」
ようやく、自らの置かれた状況が分かった。しかし、分かったところでどうしようも無い。状況が分かっても手足を小さい箱の中にしまわれていては男の言う通りに逃げ出せず、手も足も出せない以上一切の抵抗が行えないという屈辱的な事実を嫌でも理解させられただけだ。
「っ…! 俺をこんな箱に入れて…一体、何が目的だ…っ!?」
惨めな自身の姿が映されている鏡から顔を背け、兵士長の男は笑顔を浮かべている敵国の男達に強い口調で問いかけた。
すると、敵国の男達は笑みを崩さないまま涼しい声音で問いに答える。
「ん? 兵士長さんへの尋問だよ」
「さ、これを付けて…尋問を始めような」
「んむっ!?」
鏡には映らず、首を限界まで捻っても見えない背後の位置に用意されていた器具を不意打ちで取り出された兵士長は、ささやかな抵抗を試みる暇さえ間に合わずにその器具を顔に装着されてしまった。
内側に生えた丸みを持つ突起を噛ませて口を開いたまま固定させる黒い器具は、兵士長が幾ら顔を振っても外れないよう後頭部で鍵を掛けられている。手と足の動きを特殊な箱で取り上げられ言葉での反抗まで封じられた兵士長は、あまりの絶望に強気な目を保つ事を忘れ、恐怖で目を揺らめかせている。
そんな兵士長に、男達は粘ついた声で更なる説明をする。その内容は、これから始められる尋問に関する物だ。
「今から五分後に、この部屋に催淫性を持ったガス…いわゆる媚薬が、熱された状態で流し込まれるんだ」
「兵士長さんには、そのガスをその姿のまま、たっぷりと吸入してもらうぜ。媚薬で身体が発情して疼いても、手を使って慰められない。熱された甘い香りの媚薬を嗅いで全身が気が狂いそうに熱くなっても、この部屋からは出られない。そして、苦しさから逃げる為に舌を噛もうとしても、この口枷をされてたら噛めない。そんな状態のまま、兵士長さんにはもがき苦しんでもらうよ」
「んん!? んんんーっ!!」
くぐもった声で叫び、兵士長は敵国の男達になりふり構わず懇願の意思を発する。
しかし、無情な男達は必死に唸る箱詰めの兵士長を鏡の前に置いたまま部屋の扉へと歩き、残酷な言葉を去り際に残していった。
「んじゃ、兵士長さん。三時間後くらいには戻ってくるから、それまでに俺達に情報を吐くかどうか考えておいてくれよ」
「それまで暇だと思うから、発情した身体を箱の中で悶えさせる、惨めな捕虜の様子でも見て愉しむと良いぜ」
「うーっ! うぅぅ! んぐぅぅぅぅーっ!!」
悲痛な絶叫で自分達を呼びとめる兵士長の声を聞いても敵国の男達は立ちどまらず、部屋の扉は閉じられてしまった。
「んぐぅぅっ、あ、うぅぅ! んん! むぐぅぅぅーっ!!」
一人きりの部屋の中で捕虜にされた兵士長はもうすぐ始まってしまう熱された媚薬ガスの注入に怯えながら半狂乱で暴れ、裸体を詰め込んだ小さな黒い箱を鏡の前でガタガタと虚しく跳ねさせていた。
↓よろしければ、応援クリックお願いします↓

小説(BL) ブログランキングへ


にほんブログ村



B L ♂ U N I O N
↓よろしければ、こちらも応援クリックお願いします↓

スポンサーサイト

「ほら、早く目ぇ覚ませ」
尊大な口調で言いながら、男達は眠りに就いている兵士長の男の左頬を右手で軽く叩く。ぴしゃりぴしゃりという手の肉が頬の肉を打つ乾いた音と、頬が打たれる衝撃で生まれる緩い痛み。それらは深い眠りに落とされていた兵士長の意識をゆっくり覚醒へと導き、程無くして兵士長は、自分を捕らえた敵国の男達に見られながら目を覚ました。
「お、やっと起きたな」
「おはよう、兵士長さん。今までに見た事の無い自分の姿を見る気分はどうだ?」
尋ねながら、片方の男が兵士長の前に設置しておいた大きな鏡を左手の甲でコンコン、と示す。示されるがままに、兵士長は目の前にある鏡に虚ろな眼差しを向け、そして、鏡に映っている自身の異常な姿に驚いて目を見開いた。
「な…!? これ、は……っ?」
通常ではあり得ない光景に、兵士長の男はただただ驚愕するしか無い。鎧と衣服を一つ残らず脱がされ裸体にされている事実を素肌の感覚で把握しても、手足が思い通りには全く動かせない状態だと気付いても、驚愕する自分を見て敵国の男達が心底愉しそうに笑っても、それらが全く気にならないくらいの驚愕を兵士長に与えた光景。それは、首から下の肉体を小さな黒い箱に詰め込まれているという光景だ。
箱の上の穴から出ている男の頭部より一回りか二回りくらいしか大きさの違わない小さな箱は、鍛え上げられた筋肉をまとったたくましい裸体が収まるとは決して思えない。だというのに、兵士長の裸体はその小さな箱の中に押し込められ、しっかりと収納されてしまっていた。
自分の身に何が起こっているのか。自分を捕らえた者達に眠っている間に何をされたのか。理解しようとしても叶わず、抑え切れぬ困惑に表情を強張らせている兵士長に、男達は笑い交じりに説明を加えた。
「その箱、すげーだろ? うちの国の新技術なんだぜ?」
「こいつを使えば、大量の物資を小さいスペースで運べるし、管理するスペースも少なくて済む。その上…捕まえた捕虜の脱走を防ぎながら、手も足も出せない無様な姿にさせられるんだぜ?」
ようやく、自らの置かれた状況が分かった。しかし、分かったところでどうしようも無い。状況が分かっても手足を小さい箱の中にしまわれていては男の言う通りに逃げ出せず、手も足も出せない以上一切の抵抗が行えないという屈辱的な事実を嫌でも理解させられただけだ。
「っ…! 俺をこんな箱に入れて…一体、何が目的だ…っ!?」
惨めな自身の姿が映されている鏡から顔を背け、兵士長の男は笑顔を浮かべている敵国の男達に強い口調で問いかけた。
すると、敵国の男達は笑みを崩さないまま涼しい声音で問いに答える。
「ん? 兵士長さんへの尋問だよ」
「さ、これを付けて…尋問を始めような」
「んむっ!?」
鏡には映らず、首を限界まで捻っても見えない背後の位置に用意されていた器具を不意打ちで取り出された兵士長は、ささやかな抵抗を試みる暇さえ間に合わずにその器具を顔に装着されてしまった。
内側に生えた丸みを持つ突起を噛ませて口を開いたまま固定させる黒い器具は、兵士長が幾ら顔を振っても外れないよう後頭部で鍵を掛けられている。手と足の動きを特殊な箱で取り上げられ言葉での反抗まで封じられた兵士長は、あまりの絶望に強気な目を保つ事を忘れ、恐怖で目を揺らめかせている。
そんな兵士長に、男達は粘ついた声で更なる説明をする。その内容は、これから始められる尋問に関する物だ。
「今から五分後に、この部屋に催淫性を持ったガス…いわゆる媚薬が、熱された状態で流し込まれるんだ」
「兵士長さんには、そのガスをその姿のまま、たっぷりと吸入してもらうぜ。媚薬で身体が発情して疼いても、手を使って慰められない。熱された甘い香りの媚薬を嗅いで全身が気が狂いそうに熱くなっても、この部屋からは出られない。そして、苦しさから逃げる為に舌を噛もうとしても、この口枷をされてたら噛めない。そんな状態のまま、兵士長さんにはもがき苦しんでもらうよ」
「んん!? んんんーっ!!」
くぐもった声で叫び、兵士長は敵国の男達になりふり構わず懇願の意思を発する。
しかし、無情な男達は必死に唸る箱詰めの兵士長を鏡の前に置いたまま部屋の扉へと歩き、残酷な言葉を去り際に残していった。
「んじゃ、兵士長さん。三時間後くらいには戻ってくるから、それまでに俺達に情報を吐くかどうか考えておいてくれよ」
「それまで暇だと思うから、発情した身体を箱の中で悶えさせる、惨めな捕虜の様子でも見て愉しむと良いぜ」
「うーっ! うぅぅ! んぐぅぅぅぅーっ!!」
悲痛な絶叫で自分達を呼びとめる兵士長の声を聞いても敵国の男達は立ちどまらず、部屋の扉は閉じられてしまった。
「んぐぅぅっ、あ、うぅぅ! んん! むぐぅぅぅーっ!!」
一人きりの部屋の中で捕虜にされた兵士長はもうすぐ始まってしまう熱された媚薬ガスの注入に怯えながら半狂乱で暴れ、裸体を詰め込んだ小さな黒い箱を鏡の前でガタガタと虚しく跳ねさせていた。
↓よろしければ、応援クリックお願いします↓

小説(BL) ブログランキングへ


にほんブログ村


B L ♂ U N I O N
↓よろしければ、こちらも応援クリックお願いします↓

[PR]

3時間後にきたときの様子…みたいなの!